「トヨタグループ」連続不正への提案 なぜアンドンを引けなかったのか:池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/8 ページ)
2022年の日野自動車を皮切りに、4月のダイハツ工業、明くる1月の豊田自動織機と、トヨタグループ内で不祥事が続いた。立て続けに起こった不正はなぜ起こったか。そして、その原因を考えていくと、トヨタにはこの問題を解決できる素晴らしいソリューションがあるではないか。
2022年の日野自動車を皮切りに、23年4月のダイハツ工業、明くる24年1月の豊田自動織機と、グループ内で不祥事が続いたトヨタの話をしよう。
まずは日野、ダイハツ、織機の3社の不正は、手違いやミスのレベルではなく、意図的に不正を行ったもので、どう見ても庇(かば)い立てできる話ではない。
そしてこれらの関連会社グループの上に位置するトヨタの責任は当然のごとく問われることになるのだが、まずはそのあたりの整理から始めたい。実は筆者はこれを書くのが少しばかり憂鬱(ゆううつ)である。他人事として正義を笠に糾弾(きゅうだん)するのは簡単というか、摩擦がなくてとても楽な道だ。
今の状況下でなら、この不正について、噂(うわさ)と憶測を元に誹謗中傷だのゴシップ記事を書こうとも、トヨタは立場上反論できない。叩き時というか、破邪の剣をノーコストで振るえるバーゲンシーズンだ。
なのだが、筆者はそういうのは虫が好かない。そんな表層的な正義を押し付けたところで、書き手の溜飲(りゅういん)は下がるかもしれないが、社会は何も改善しないと思うからだ。だから筆者に与えられた課題は、一回正義だ何だを置いて、それらがなぜ起こったかを、リアルな人間の行動をベースに考えることだと思う。ただ、そういう作業はサブコンテクストが読めない人には、まるでトヨタを擁護しているように見えることは容易に想像がつく。だから憂鬱なのだ。
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