2015年7月27日以前の記事
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「そごう・西武」アジアに増える巨大店舗 大苦戦する国内と何が違うのか?(2/5 ページ)

かつて国内最大の百貨店チェーンだったものの、経営再建・セブン&アイ傘下を経て今や日本国内に10店舗のみとなってしまった大手百貨店「そごう・西武」。その「そごう・西武」の新店舗がいま、アジア各地に続々と誕生していることをご存じだろうか。正念場を迎える日本の百貨店業界にとってのヒントを探る。

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台中そごうは東京ドーム13個分 何が入る?

 「台北ドームにそごう最大の店舗ができる」と書いたばかりであるが、台中市にはさらに規模が大きい、そごうを核とした台湾最大級の複合施設の建設計画が進んでいる。

 その複合施設とは、台中市でそごうを運営する「廣三そごう」が運営する「廣三そごう高鉄台中駅前店・台中高鉄娯楽ショッピングセンター」だ。

 廣三そごうも旧太平洋そごうと同様、そごうグループと台湾の建設会社による合弁企業として設立。そごうの資本を離れたのち経営者が罪を犯して中国に亡命、店舗も休業を強いられるなどといった紆余曲折を経て、現在は日本人社長のもと日本企業の資本も入るかたちで運営している。一方で「そごう・西武」の出資は受けておらず、やはりライセンスを受けるかたちのフランチャイズ(FC)店舗となっている。


廣三そごう本店(台中市西区)。この店舗も地上18階・地下2階建ての巨大百貨店だ

 廣三そごうの複合施設は、台湾高速鉄路(新幹線)の台中駅前で行われている台湾政府交通部鉄道局の再開発計画に参画して出店するもの。驚くべきはその規模で、延床面積は約18万坪(約60万平方メートル)。東京ドーム13個分、新宿御苑とほぼ同じ面積だ。


高鐵台中駅そごうの出店予定地。高鉄(新幹線)台中駅と直結される予定。現状、駅前はあまり開発が進んでおらず地元からの期待も大きそうだ

 新幹線の台中駅は、在来線の台中駅と離れた郊外エリアにあり、駅周辺には目立った大型施設がなかった。それゆえ、駅前に生まれる台湾最大級の複合施設には大きな期待がかかる。館内には、廣三そごうを核にシネマコンプレックス、高級ホテル、コンベンション施設、オフィスなどさまざまな施設が入居する計画で、「娯楽城」という愛称に相応しい施設になりそうだ。26年頃の開業を目指して工事が進められる予定となっている。


廣三そごうが出店する台中高鐵娛樂購物城(仮称)。台中高鐵娛樂購物城の公式サイトより

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