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「東京メトロ」上場へ、鉄道以外で“やるべき”事業は何か課題もある(2/5 ページ)

政府と東京都が、両者で100%保有する東京地下鉄(東京メトロ)の株式の半分を売却する方針だという。上場後の東京メトロに期待されることとは――。

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現在の東京メトロの事業は?

 東京メトロは運輸業を中心としつつも、実は不動産事業や流通・広告事業も展開する企業グループだ。23年3月期の有価証券報告書を見てみよう。

 グループ全体では1万1571人。セグメント別では運輸業が1万621人、不動産事業が142人、流通・広告事業が508人、その他の事業で300人が働いている。東京メトロ本体では、運輸業が9598人、不動産事業が58人、流通・広告事業が62人、その他の事業で3人が働いていて、計9721人である。


グループ全体の従業員数(出典:東京メトロの23年3月期有価証券報告書、以下同)

東京メトロ本体の従業員数

 従業員数を見ると、東京メトロは運輸業で成り立っているといえるだろう。では、お金についてはどうか。

 同社の営業収益は3453億7000万円、営業利益は277億7700万円。うち、運輸業の営業収益は3122億6000万円、営業利益は146億400万円である。不動産事業の営業収益は137億4000万円、営業利益は53億4700万円。流通・広告事業の営業収益は236億5600万円、営業利益は76億8700万円となっている。


23年3月期の23年3月期の連結損益計算書

セグメント別の内訳

 数字だけ見ると、人もカネも、やはり運輸業で成り立っている会社だといえる。それだけ、都市部で地下鉄事業を営むことはビジネス上のメリットが大きいということだ。

 鉄道以外では、どんな事業を展開しているのか。運輸業は地下鉄で、その関連子会社を持っている。不動産事業は、オフィス・住宅などのビル賃貸や運営管理ビジネスを手掛ける東京メトロ都市開発がある。流通・広告事業は商業施設の運営や広告事業であり、メトロアドエージェンシーが東京メトロ関連の広告を引き受けていることで知られている。

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