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「東京メトロ」上場へ、鉄道以外で“やるべき”事業は何か課題もある(4/5 ページ)

政府と東京都が、両者で100%保有する東京地下鉄(東京メトロ)の株式の半分を売却する方針だという。上場後の東京メトロに期待されることとは――。

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東京メトロの強みを生かしつつ

 では、東京メトロの強みは何か。運輸業で圧倒的に稼げることである。稼げる理由は、都心を中心とした路線網を持っていることだ。今後は運輸業の人員や営業収益、営業利益を減らさず、他事業の「人」や「カネ」を増やしていくことが重要となるだろう。関連事業のために、東京メトロの圧倒的な強みを捨てるのはよくない。

 東京メトロの事業内容を見ると、どの事業も都心部という立地の良さを生かしていることが分かる。東京メトロが持つ不動産は都心部がメインであり、鉄道事業とのシナジーも生まれやすい。都心部のビル開発や既存のオフィスビルの取得をもっと積極的に展開してもいいのかもしれない。


30年に向けた東京メトログループの計画(出典:東京メトロプラン 2024)

設備投資計画(出典:東京メトロプラン 2024)

 都心部の事業といえば、ホテルもある。ほかの私鉄のホテルがどんどん都内に進出しているのに、指をくわえて見ているだけ、というのはもったいない。

 駅構内の商業施設に力を入れるのも良いだろう。このあたりは、JR東日本が参考になりそうだ。東京メトロの駅構内に活用されていない空間が目立つのは、もったいないとさえ感じる。

 運輸業では、持分法適用会社である「はとバス」との連携が期待できる。再び日本にやってきた外国人観光客向けのビジネスにも力を入れられる。

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