東北大・大野英男総長に聞く 「10兆円ファンド」支援候補に選ばれた舞台裏:東北大学の挑戦(3/5 ページ)
政府が創設した10兆円規模の「大学ファンド」初の支援対象候補に、東北大学が選ばれた。東北大の大野英男総長に「国際卓越研究大学」の認定候補に選ばれた舞台裏を聞く。インタビュー全3回の1回目。
企業や海外の研究機関とコラボ
――単に研究をするだけでなく、企業や海外の研究機関ともコラボしながら価値を生み出そうとする姿勢を感じますね。
価値創造のため「時代に合った研究遂行の仕組みに転換すること」も重要です。例えば従来型の講座制の研究室は、教授、准教授、助教、学生というピラミッド型の研究体制でした。これは「何をやればいいのか分かっていた時代」には、素晴らしく機能してきたと思います。しかし、今は「VUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)の時代」です。何をターゲットにして何を研究し、学べばいいのかは誰にも分かりません。だからこそ個々の優秀な研究者が独立した形で、責任を持って卓越した多様な研究を展開し、可能性を拡(ひろ)げていく。この姿が未来を切り拓く研究大学としての理想だと考えています。
東北大には約830の研究室があります。これをプリンシパル・インベスティゲーター(PI)が率いる独立ユニットに組み替えます。これによりPIに率いられた1800の研究ユニットを作ることができます。それぞれが卓越した研究を追究することによって、新しい芽をどんどん出していけるのです。
従来型の研究室が行っていた装置のメンテナンスなど研究の環境作りは大学が引き受けます。つまり研究者が研究に専念できる時間を、大学が責任を持って増やします。これらの研究ユニットが世界レベルで卓越した研究をすることにより、多数の学術的インパクトを生み出します。
このように、今後の研究大学の在り方を見据えて「大学全体が変わっていくこと」を提案で表現しました。それを評価していただいたのだと思います。
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