明治「アポロ」は子どもだけのお菓子? 「大人になったら食べなくなる」をどう脱却したのか(1/3 ページ)
明治の人気チョコレート菓子である「アポロ」。1969年の発売から、今年で55周年を迎える。誕生秘話やその後の歩みを、ブランド担当者に聞いた。
明治の人気チョコレート菓子である「アポロ」。イチゴがドット模様になったパッケージや、茶色とピンク色が組み合わさった三角錐のデザインが特徴だ。1969年の発売から、今年で55周年を迎える。アポロ誕生の背景や今後の事業展開について、ブランド担当である同社カカオマーケティング部の寺園文比古さんに話を聞いた。
アポロ誕生の背景にあった、消費者の変化
アポロ誕生のきっかけは、高度経済成長期までさかのぼる。当時、消費者の嗜好(しこう)にある変化が起きていた。「高度経済成長期になり、『何でも手に入る』時代になりました。商品がおいしいことは当たり前で、さらなる付加価値が求められるようになっていたのです」(寺園さん)
アポロの8年前に発売した「マーブルチョコレート」も、そうした消費者のニーズに対応した商品だった。食べやすい粒状で、かつカラフルなマーブルチョコレートは、当時の子どもたちの間で爆発的な人気となった。このマーブルチョコレートに次ぐ、新しい子ども向けの商品として開発したのがアポロだった。
アポロの開発時にこだわったのは、フレーバーと見た目のデザインだ。当時はストロベリークリーム系のフレーバーが人気だったため、アポロのフレーバーにも取り入れたのだという。三角錐の形は、69年7月21日に人類初の月面着陸を達成した宇宙船アポロ11号からイメージしたものだ。
マーブルチョコレートは「カラフルさ」を強調した一方で、なぜアポロは2色の組み合わせなのか。「アポロは『かわいらしい形』と『いちご』であると印象付けたかったため、あえてベースとなるミルクチョコレート(茶色)との2色の組み合わせになったそうです」(寺園さん)
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