外国人は「ジブリパーク」を称賛するのに、なぜ日本人は「高い」と感じるのか:スピン経済の歩き方(6/6 ページ)
外国人観光客に人気の「ジブリパーク」だが、国内では「高い」などの理由で反応がイマイチのようだ。今後ジブリパークが生き残るために、筆者が提案することは――。
“ジブリの安売り”を回避するには
では、どうすべきか。筆者は23年9月に公開した記事「『シン・ナウシカ』『実写版 トトロ』! ジブリ子会社化でありうるか」の中で、日本テレビが主導するなどして、ディズニーやUSJに比するような巨大テーマパークを立ち上げるべきだと述べた。ジブリ作品や日本のクリエーターたちを守っていくためにも、ジブリの「価値」を向上させていくべきだと考えているからだ。
「そんなのジブリっぽくない」と思う人もいるだろうが、そういうことを言っているうちに消えてしまったブランドがどれほどあることか。
またジブリが目指す「自然を守る社会」のためにも資金は必要だ。残念ながら、これからの日本は世界トップレベルのスピードで人口が減少していくので、公共インフラも急速に崩壊していく。そこで真っ先に削られていくのは、自然や文化の保護・保全だ。
そこをカバーするのは世界に通用するような力を持つ企業だ。日本の場合は観光などのサービス業、映画、アニメ、マンガなどのソフトパワーではないだろうか。その代表がスタジオジブリだと思っている。
日本のアニメ文化を守っていくためにも、日本テレビにはぜひともディズニーランドに見劣りしないような「ジブリーランド」を検討していただきたい。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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