魚仁のようなお店では、仕入れた魚は大方その日のうちに捌(さば)けてしまうでしょう。すると、また新鮮なものを仕入れて、すぐに提供するという流れが続きます。
飲食店で、魚の回転を早める要素は、このほかにもさまざまです。
例えば、店員数が多かったり、導線がスムーズであったり、メニュー金額が単純であったり……これらは提供スピードを早めます。また、海鮮サラダなどさまざまなメニューに魚介を活用すれば魚は早くなくなります。
「とれたて」「新鮮」を謳う以前に、美しい魚を提供するために必要なことは、「魚をいかに早く回転させられるか」なのです。
この記事は、『魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める魚の教養』(ながさき一生/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
ながさき一生(ナガサキイッキ)
おさかなコーディネータ。株式会社さかなプロダクション代表取締役。一般社団法人さかなの会理事長・代表。東京海洋大学非常勤講師。
1984年、新潟県糸魚川市にある「筒石」という漁村の漁師の家庭で生まれ、家業を手伝いながら育つ。2007年に東京海洋大学を卒業後、築地市場の卸売企業に就職し、水産物流通の現場に携わる。その後、東京海洋大学大学院で魚のブランドや知的財産の研究を行い、修士課程を修了。
2006年からは、ゆるい魚好きの集まり「さかなの会」を主宰し、「さかなを捌きまくる会」などの魚に関するイベントをこなす中で、メディアにも多数取り上げられる。2017年に「さかなプロダクション」を創業し独立。
食としての魚をわかりやすく解説する中で、ふるさと納税のコンテンツ監修や、ドラマ「ファーストペンギン!」の漁業監修を手がける。水産業を取り巻く状況を良くし、魚のコンテンツを通じて世の中を良くするため、広く、深く、ゆるく、そして仲良く、仲間たちと活動している。
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