焼き立てピザ、ヘルシー小鉢が無料 資生堂が社員食堂で「4人組限定」「早い者勝ち」ルールを作った深いワケ(3/4 ページ)
資生堂の社員食堂が、他企業から「手本にしたい」と注目を集めている。同社ファシリティマネジメント部 オフィスコンシェルジェグループの近藤真理子氏に、社員食堂について話を聞いた。
焼き立てのパンやクッキーも用意
オフィスリニューアルをきっかけに開始したのが、パンやスコーン、クッキーといったベーカリー類の販売だ。全て店内で焼き上げており、あたたかい状態で提供している。ベーカリーコーナーの隣には、ドリンクコーナーを設置。コーヒーやラテといった定番メニューだけでなく、季節限定のドリンクやオーガニックのシロップを複数用意した。
こうしたコーナーを新設した背景には「オフィス周辺にあるカフェチェーンへの競合意識がある」と近藤氏は説明する。ありきたりな定番メニューだけでは社員から支持されにくいと考え、独自性を打ち出すことで利用されるようにした。
ピザがコミュニケーションのきっかけに
ZEBRAでは、曜日限定の取り組みを実施している。中でも毎週水曜日の「ピザ友デー」は、毎週参加する社員がいるほど人気が高い。これは、4人組にピザ(先着10枚限定)が無料で提供されるというものだ。
「同じ部署で働くメンバー」「その時たまたま居合わせた社員同士」といったような利用も可能としている。「4人組」の定義を厳密にしていないのには理由があると近藤氏は説明する。「ZEBRAに来た社員同士が、声を掛け合って4人組を作ることでコミュニケーションが生まれます。社内コミュニケーションの活発化を目的に始めました」
その他、毎週火曜日は「プラス 1 DISH」と題し、60食限定で小鉢をプレゼント。近藤氏によれば「不足しがちな野菜を補ってもらいたい」との考えから生まれた施策だという。また、毎週金曜日は営業時間を拡大。「ZEBRA BAR」(午後4〜8時)として、ビールやワイン、軽食などを350円で提供している。0次会や社内パーティーなどで利用されることが多いという。
こうした曜日ごとの取り組みでは「先着順」「数量限定」を採用している。「『早い者勝ちである』とアピールすることで来店時間を分散させ、ランチタイムの混雑緩和を図る狙いもあります」(近藤氏)
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