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「シーチキン 虫混入動画」で会社側が訴えても、逆にリスクになってしまう理由:スピン経済の歩き方(2/7 ページ)
シーチキンに虫が購入していたとする動画について、「はごろもフーズ」側が不可解な点があると指摘。SNS上では投稿者へ謝罪を求める声が上がっている。もし虚偽の動画だった場合、メーカー側は信用毀損(きそん)で訴えるべきなのか。
訴訟を起こすべきではない理由
「デタラメなことを言うな! 無責任な投稿のせいで株主や取引先に実害を与えているわけだから、被害回復を求めないと経営陣は株主総会でボロカスに叩かれるだろうが! しかも、同じようなアクセス数稼ぎのために自分で虫を混入するような不届きな連中への抑止力にもなる。はごろもフーズはガツンと痛い目を身させるべきだ」
確かに、このようなご指摘はごもっともという部分もある。学校の授業や経営書ではそんなことが語られているからだ。ただ、残念ながらそれはあくまで企業危機管理を経験したことがない人たちが頭の中だけで考えたことにすぎない。「早く訴えろ!」「なぜ訴えないのか! 危機管理がなってないぞ」と偉そうに上から目線で説教してくるマスコミやジャーナリストも山ほどいるが、それは彼ら自身が仕事柄、「攻める」ことしか経験していないので、訴訟によってどういう影響があるのか分からないのだ。
事実、このようなケースに直面した企業のほとんどは、「法的措置も含めて検討します」と言いながらフェードアウトをするか、提訴したものの裁判所から提案されるまま和解して、提訴を取り下げて薮の中へといった対応をする。世間や株主の前では厳しい姿勢を見せておきながら、しれっと法廷闘争を回避するパターンが多い。
その非常に分かりやすいモデルケースが、スシローペロペロ少年騒動だ。
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