カフェのバランスシートはどうなっているの? 小さな店が売り上げを確保する方法:「ワイヤードカフェ原宿」からスタート(2/4 ページ)
カフェを運営するうえで、バランスシートは欠かせない。飲食業界ではよく「FL値」というものが使われていて……。
カフェを使ったリアルマーケティング
先ほど、飲食による利益以外の40〜50%のうち、半分は企業関連からのリアルマーケティングの売り上げで、半分はパーティーやイベントの売り上げで運営するというお話をしました。
僕たちのグループには、オペレーションのチームに加えて、Cプラス・ワンというチームがあります。Cはカフェの頭文字で、カフェのフィルターを使って企業の知りたい情報を吸い上げてフィードバックしたり、ターゲットに近い商品の発表会や展示会をしています。これが、他の店ではできないリアルマーケティングです。
大手コンサルティング企業の人がよく言うことですが、マーケティングのために調査会社にお金を払って、唐突にアンケートをしたところでよい結果は集まりません。けれども、毎日会うカフェの従業員が聞けば、ちゃんと教えてもらえます。ですので、非常に参考になる声が集められるのです。
僕の場合、20代のときにダイエーで仕事をしていた時代から、出店の後もお客さんの声を聞いて改善点を探し、棚の位置、高さや商品の場所などについてマイナーチェンジを繰り返していました。
ダイエーの場合と同様に、カフェでもお客さんの声が不可欠です。よりよいお店づくりのために、出店前も後も、「人を読む」ことが必要なのです。お客さんの人柄や年収、趣味、その人に合う車や家、メーカー……など、さまざまなリサーチを怠らないようにします。
この情報収集を活用して、メーカーやサプライヤーに、商品の長所や短所をフィードバックすることができるのです。
僕たちのカフェがお客さんの声を伝えることで、企業もニーズのないものは開発しないで済みます。言い換えると、カフェというフィルターを通して、情報をお客さんに馴染むように伝えることが企業にとってのPRにもなり、CS(顧客満足度)の向上にも役立っているといえます。
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