部下を「叱る」のは難しい――「良い上司」になれる、叱り方のコツとは:働き方の「今」を知る(3/3 ページ)
組織で仕事をしていくうえで、部下を叱ることも時には必要となる。日々多忙な中でうっかりミスを起こしてしまった部下に対しては、ついつい感情的に怒ってしまう方も多いのではないだろうか。つい感情的になりすぎてしまう場合、どうしたらいいのだろうか。「良い上司」になれる、叱り方のコツとは?
あなたが上機嫌でいることが、最高の「承認」となる
ここまでいろいろとコミュニケーション手法をお伝えしてきたが、いきなり多くを求められても、すぐに対応できない方も多いはず。そこで一番簡単で、かつすぐに実践できる方法をお伝えしよう。それは「日々、あなた自身が上機嫌でいること」に尽きる。
あなた自身の機嫌がよく、日々「話しやすい雰囲気」を周囲にふりまけば、自然と周囲のコミュニケーションも増え、安心感を抱けるものだ。具体的には、次のような言動が「上機嫌」に当たる。
- 自分から挨拶する
- 「●●さん、最近調子はどう?」などと、相手の名前を呼んで話しかける
- たとえ業務でも、依頼してやってもらったことには都度「ありがとう」と感謝する
- 相手が抱いている感情に同程度に共感し「それはうれしいね!」「それはガッカリだったね……」などと心から反応する
- (たとえ今現在の個人業績が芳しくなくとも)相手が以前と比して成長した点、レベルアップした点、目標に対して努力の方向性が合致している点を見つけて「●●がいいね!」「半年前と比べたらグッと成長したね!」といった形で評価する
もしあなたが日頃から実践できていないものがあれば、この機会に取り入れてみていただきたい。
ここまで日常のコミュニケーションにこだわって実践すれば、組織としても心理的安全性が高まり、あなたへの信頼も、部下たちの自発的なエンゲージメントも高まることは間違いない。ぜひ今日から実践してみることをおすすめしたい。
著者プロフィール・新田龍(にったりょう)
働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役
早稲田大学卒業後、複数の上場企業で事業企画、営業管理職、コンサルタント、人事採用担当職などを歴任。2007年、働き方改革総合研究所株式会社設立。「労働環境改善による業績および従業員エンゲージメント向上支援」「ビジネスと労務関連のトラブル解決支援」「炎上予防とレピュテーション改善支援」を手掛ける。各種メディアで労働問題、ハラスメント、炎上トラブルについてコメント。厚生労働省ハラスメント対策企画委員。
著書に『ワタミの失敗〜「善意の会社」がブラック企業と呼ばれた構造』(KADOKAWA)、『問題社員の正しい辞めさせ方』(リチェンジ)他多数。最新刊『炎上回避マニュアル』(徳間書店)、最新監修書『令和版 新社会人が本当に知りたいビジネスマナー大全』(KADOKAWA)発売中。
11月22日に新刊『「部下の気持ちがわからない」と思ったら読む本』(ハーパーコリンズ・ジャパン)発売。
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