2015年7月27日以前の記事
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パワハラの元凶なのに……「追い込み型」のマネジメントがはびこる理由働き方の見取り図(2/3 ページ)

なぜパワハラは一向になくならないのか。恐怖心を抱かせて部下をコントロールしようとする「ストロングマネジメント」の発生メカニズムと、そこから脱却するためのヒントを考える。

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パワハラが発生する4つのパターン

 パワハラが発生するパターンは、縦軸に「加害者側の圧力自覚」の有無、横軸に「被害者側が感じている愛情」の有無をとると、大きく4分類されます。

 部下としては上司の愛情を感じており、上司も自分の言動が部下に圧力を与えているだろうと自覚してはいるものの「部下のために心を鬼にしなければ」と続けるうちに限度を超えて部下を追い込むパターンが「勘違い型」です。

 それに対し、同じく部下は上司の愛情を感じてはいるものの、上司側は自分の言動が圧力を与えていることに気付いておらず、知らず知らずのうちに過度な要求をして部下を追い込むのが「鈍感型」です。


パワハラが発生する4つのパターン(筆者作成)

 一方、上司側が部下に対して故意に圧力をかけ、部下はそこに愛情を感じていないパターンは「意地悪型」。上司側に圧力をかけている自覚がなく、部下側は愛情を感じていないと「冷血型」になります。

 「意地悪型」は確信犯です。「鈍感型」と「冷血型」は部下の気持ちをおもんぱかる姿勢に欠けています。上司が「パワハラになってないだろうか」と戦々恐々としながら部下育成に臨んだ結果、やはりパワハラになっていたというケースの多くは「勘違い型」に該当します。

 このように相手を追い込んで、恐怖心を抱かせて部下を動かそうとするストロングマネジメントが、これまで職場はもちろん学校の部活動などでも日常的に行われてきました。体罰という名の暴力を伴うものさえありました。

 ストロングマネジメントによる部下育成の肝は、恐怖心を与えたり、悔しい思いをさせたりして、部下を精神的に追い込むことにあります。追い込まれた部下は逃げ道をふさがれるため、必死にもがいて乗り越えるしかありません。その結果、工夫や改善を試み、自らの意志で答えにたどり着きます。その過程が重要な成長体験となります。

 しかし、この追い込み型の部下育成は、加減を間違えるとパワハラになってしまいかねません。部下が悲鳴を上げていても「自分もそうやって成長してきたのだから」と自らの成長体験を盾に耳を貸さず、心を鬼にするという言葉で正当化すると、もはやブレーキをかけるのは不可能です。その結果、部下が心身の健康を損ねるまでエスカレートしてしまいます。

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