「生ドーナツ人気」をブームで終わらせるのはもったいない、これだけの理由:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
生ドーナツがブームとなっているが、かつてのタピオカミルクティーやから揚げとは異なる可能性を秘めている。生ドーナツ人気を終わらせないためには、どうすべきか。
日本の観光資源として
全国のご当地ラーメンが味わえる「新横浜ラーメン博物館」によれば、「日本の食文化」として外国人観光客が称賛するラーメンが初めて日本でブームになったのは1910年だという。「浅草 來々軒」の創業者・尾崎貫一氏が店をオープンして人気に火がついたことで社会に「ラーメン」という食文化が普及していったのだ。
日本社会に広まった時期は、ドーナツもラーメンもそれほど変わらない。家庭でもつくられ、店でも食べられ、さまざまなレシピがあるという点も同じだ。
ということは、ドーナツもラーメンのように「日本食」として認められるポテンシャルはあるということだ。
穴の開いたものは上から見れば「日の丸」のように見えなくもない。外国人観光客が日本のスイーツと聞くと、コンビニスイーツの名が上がることが多い。専門店のスイーツはちょっと手薄なので、狙い目でもある。
実は世界にはドーナツのような揚げ菓子が山ほどある。中国は大麻花(マーファー)や油条(ヨウティアオ)、韓国のクァべギ、沖縄のサーターアンダギーなど見ようによってはドーナツと言えなくもない。定義がないということは「言ったもん勝ち」でもある。
一過性のブームで終わらせないためには、「ドーナツ=日本の家庭菓子」というブランド戦略もアリではないか。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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