50歳になっても“現役” 日本発の「モンチッチ」は、なぜ7000万体も売れているのか:猿ではない(2/5 ページ)
2024年で誕生50周年を迎えた「モンチッチ」。世界30カ国以上で販売され、現在はアジア圏を中心に専門ショップも拡大している。長年多くのファンに愛され続けている理由とは――。
猿ではなく100%擬人化されたキャラクター
現在ではやわらかい素材でつくられたぬいぐるみも多いが、当時の主流は、体が固く常に形を保っているものだった。「おばあちゃんのタンスの上にある人形ケースの中にかざられているようなものが多かった」(山口さん)
「かわいさ」を追求する中で、同社は「体がくたくたとした、やわらかいものをつくろう」と、開発に着手。しかし、やわらかくしたことで形が崩れてしまうといった課題が生まれ、キャラクターの顔の形を保つことが難しかった。
そこで人形メーカーである強みを生かして、「人形をベースに、体はやわらかいぬいぐるみ」という“良いとこ取り”をしたキャラクターとして誕生したのがモンチッチだった。前身となったのは、体がくたくたとした動物のぬいぐるみ「くたくたシリーズ」の中でも特に人気だった「くたくたモンキー」と、指をしゃぶるポーズで同じく人気を博していた人形の「マドモアゼル・ジェジェ」だ。
モンチッチというネーミングは、響きのかわいさからフランス語で「私」という意味の「モン」と、「小さくかわいいもの」という意味を持つ「プチ」を合わせた造語だという。おしゃぶりをいつもチュウチュウと吸っていることから、モンチッチの名が付けられた。
「よく『モンキーだからモンチッチだ』と解釈する方も多いが、モンチッチは猿ではなくモンチッチというキャラクター。『お猿のようにかわいい』という表現はするものの、100%擬人化されているキャラクターで、モンチッチも人のようにいろいろなモンチッチがいる」(山口さん)
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