50歳になっても“現役” 日本発の「モンチッチ」は、なぜ7000万体も売れているのか:猿ではない(3/5 ページ)
2024年で誕生50周年を迎えた「モンチッチ」。世界30カ国以上で販売され、現在はアジア圏を中心に専門ショップも拡大している。長年多くのファンに愛され続けている理由とは――。
人気の理由は、設定に縛られない「自由度の高さ」
このように誕生したモンチッチだが、日本だけでなく欧州や米国、アジア圏など、なぜ異なる文化圏の国々で多くのファンに支持されているのだろうか。
同社ではその理由として、立体(商品)からつくられたキャラクターであるがゆえに、細かなプロフィール設定がなく、楽しみ方の自由度が高い点が挙げられるとしている。
「キャラクター商品はイラストから入るアート先行のものが多いが、モンチッチに関してはぬいぐるみという商品から広がっていった経緯がある。現在はアート商品もあるが、モンチッチというキャラクターについては『絶対にこう』といった設定がない」(山口さん)
「モンチッチを手にした人が、例えば友達、兄弟、子どものように、それぞれが思い思いの感情移入をしている。家に帰ったら『モンチッチ』ではなく別の名前で呼んでいる人もいるほど、自由度の高い点がモンチッチの大きな魅力であり、愛される理由だと感じている」(山口さん)
近年はモンチッチの誕生日である1月26日に合わせて東京駅で期間限定ショップを開設し、撮影会も行うなど、オフラインのイベントにも力を入れている。ファン同士がそれぞれの“マイモンチッチ”を持ち寄り、異母兄弟のように交流している姿も見られるという。
性別は分けているものの、年齢や居住地などの細かなプロフィールはなく、日本にいるモンチッチもいれば海外にいるモンチッチもいる。公式のプロフィールに縛られることなく、自由に楽しめる点が魅力の1つといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「47都道府県ピンバッジ」が人気 なぜ「群馬県」が断トツに売れたのか
地図を扱うゼンリンが都道府県のカタチをしたピンバッジを販売したところ、想定以上に売れている。47種類を販売して、どの都道府県が最も売れたのか。トップは……。
「電話とトランシーバー」くっつけちゃった! 見たことがない端末が人気のワケ
子どものころトランシーバーを使って遊んでいた。そんな大人も多いと思うが、「いまはスマホで十分」と感じているはず。トランシーバーをつくっていた会社は、いまどのような製品を扱っているのか。生き残り策を取材したところ……。
「男性用のレース下着」なぜ人気なのか ワコールが販売して分かったこと
ワコールの男性下着ブランド「ワコールメン」から発売された「レースボクサー」の勢いが止まらない。なぜ多くの男性から支持を得ているのか。
なぜ「でっかいCDラジカセ」が売れているのか たまに止まる理由
ドウシシャの「でっかいCDラジカセ」を販売したところ、じわじわ売れている。1970〜80年代に流行ったラジカセをなぜ開発したのか。担当者を取材したところ、昔の思い出がたくさん詰まっていて……。
