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『キャプテン翼』が連載終了 その功績と“機会損失”を振り返る:エンタメ×ビジネスを科学する(5/5 ページ)
『キャプテン翼』は4月の雑誌掲載にて漫画連載を終了し、今後はネーム形式で公式webサイトなどに掲載すると発表した。改めて同作の功績と、ある「機会損失」について振り返りたい。
アラブ圏の高い「文化の壁」乗り越える
アニメでも、2023年にはサウジアラビアの企業が『キャプテン翼』のライツ事業を手掛けるTSUBASAおよび電通と提携し、中東・北アフリカにおけるアニメ最新シリーズの独占配信権を獲得するなど、アラブ圏での市場拡大が進められている。また、中東最大級のポップカルチャーイベントであるMEFCC(中東フィルム&コミコン)に高橋陽一氏が招待されており、今後は日本を上回る市場に成長することが期待される。
なお先に述べたように、アラブ圏では『キャプテン翼』の題名はかつて「Captain Majid」とローカライズされていたが、アラビア語版単行本やMEFCCの紹介では「キャプテン翼」(Captain Tsubasa)と原作に準拠している。文化・宗教に厳しいアラブ圏において、日本語の原作表現を尊重するように変化してきたことは、当該地域において『キャプテン翼』と、日本のアニメ・漫画が深く受け入れられていることの証左といえる。
本稿で述べたように、『キャプテン翼』は40年以上愛され続ける日本を代表するコンテンツであり、ポジティブ・ネガティブ両面におけるコンテンツビジネスの歴史がひもづいている。
漫画連載は終了してしまうものの、まだ翼たちの戦いは続いている。最新シリーズで描かれているオリンピック、そして当初からの翼の目標であり、日本サッカーファンの悲願であるワールドカップ優勝に向け、新たな形態での連載をいちファンとして待ち続けたい。
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