イトーヨーカ堂とアダストリアが協業する新ライフスタイルブランド「FOUND GOOD(ファウンドグッド)」が、本格展開を開始した。2月15日から先行導入したイトーヨーカドー木場店を皮切りに、2024年7月までにイトーヨーカドー64店舗への拡大を目指す。
FOUND GOODは、アダストリアが企画開発・生産した商品をイトーヨーカドーに供給。売場での商品陳列の提案や販促方法、SNS発信といったマーケティングをアダストリアが担当し、イトーヨーカドーは商品の販売、発注量の確認や調整を行う。
商品ラインアップはレディース(構成比45%)、メンズ(同25%)、キッズ(同5%)の衣類に加え、靴やバッグ類などの服飾雑貨(同20%)、レジャーアイテムや食器といった生活雑貨(同5%)まで幅広く扱う。売場スペースは、店舗により100坪・150坪・200坪・300坪の4パターンを用意した。価格帯は専門店(高価格帯)とロードサイド郊外点(低価格帯)の間に当たる、中価格帯でそろえた。
イトーヨーカドーが抱える課題
今回の協業の背景には、イトーヨーカドーが抱える課題があった。「日本の人口構成から見ても、イトーヨーカドーの顧客は高齢層が多く、30〜40代のファミリー層が少ない構造となっている」(イトーヨーカ堂 執行役員 専門店事業部長 梅津尚宏氏)
イトーヨーカドーは今後の成長戦略において、「食」の分野を中心にしている。この「食」の分野を伸ばしていくためにも、30〜40代の顧客を獲得することは必要不可欠だった。そこで目を付けたのが、30〜40代から高い支持を得ているアダストリアだ。
イトーヨーカ堂はアパレル事業撤退の約1年半前から、アダストリアと打ち合わせを行っていたという。「情報交換をして理解を深めつつ、30〜40代のお客さまを獲得できるか否かを確認したうえで、アダストリアとの協業を決定した」(梅津氏)
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