「わらびもち専門店」が海外でも好調 行列ができる秘密は?:甘味処鎌倉(3/5 ページ)
2019年に1号店の「弥彦神社店」が新潟県弥彦村にオープンし、今では全国に50店舗以上を展開している、わらびもち専門店の「甘味処鎌倉」。2024年1月には香港とシンガポールに出店し、いずれもオープン直後は200人以上の行列ができたという。どのように海外で人気店をつくっているのか。
香港・シンガポールに進出、日本の味を再現
国内で人気を高めてきた甘味処鎌倉は、2024年1月に海外初出店となる「香港 Hysan Place店」を、2月に「シンガポール One Holland Village店」をオープンした。
以前から出店計画を立てていたのかと尋ねると、「全くそうではない」と田中氏。
「2023年の始めごろから、海外から問い合わせがくるようになりました。日本に旅行した際に当店のわらびもちを食べて、『すごく気に入ったから自分の国でも展開したい』と。それまで海外事情は知らなかったのですが、問い合わせがあった国に出向いて現地を見て、希望者と話して、やりましょうとなりました」
香港もシンガポールも出店希望者の熱量が高く、スピーディーに出店が実現したという。
「海外の方からすると、趣があって落ち着いた、いわゆる『日本らしい雰囲気』とは違っているけれど和のテイストを感じる当店のデザインが目新しく映るようです。わらびもちを食べてみると、食感や味に想像を超えるインパクトがあったと。日本滞在中に何度も通ってくれる方が多いんです」
香港もシンガポールも、「日本の味を再現したい」というオーナーの強い意向により、日本から材料を送り、日本と同じ機械を使い、甘みや食感を変えないそのままの味を再現。現地にわらびもち専用の工場をつくり、クオリティーを維持している。メニューも国内店舗と同様だ。
価格帯は、送料などを踏まえて日本の1.5倍ほどになっている。田中氏いわく現地の物価で相応の価格帯だという。
「わらび粉やきなこ、黒糖、抹茶といった商品の味を決める材料は、日本の店舗と全く同じものを使っています。ただ、乳製品などは輸入制限がかかってしまうので、ホイップクリームは現地の材料を組み合わせて、できるだけ同じ味を再現しています」
送料を削減するため、当初は抹茶など一部材料を現地調達できないかと考えたが、断念したそうだ。
「開業前に日本からさまざまな抹茶を持ち込んで、シンガポールの一般の方にブラインドテストを実施しました。そうしたら90%近くが味で抹茶の等級を当てたんです。日本人より舌が繊細なのではと驚き、クオリティーを維持しないと見透かされると思いました」
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