ニュース
山善“コンセントに刺さない”家電 売上100億円を狙う新シリーズは成功なるか?(2/2 ページ)
山善は5月13日、リチウムイオンバッテリーを活用する新家電カテゴリー「ELEIN」を発表した。コンセプトは「新しいバッテリーが人を自由にする」で、第1弾商品として16商品を用意。6月上旬から順次発売する。同社家庭機器事業部長の中山尚律氏によると、初年度の売り上げは5億円を見込んでいるという。
太陽光の活用を意図、海外展開も視野に
山善がELEINの企画を立ち上げたのは約2年前。開発の背景として、中山氏は「太陽光エネルギーの活用」を挙げる。「電気代の高騰や環境意識の向上から、太陽光エネルギーの有効活用が求められている」ことを受け、企画が進んだ。
そこで同社は、太陽光エネルギーとリチウムイオンバッテリーを組み合わせた家電を開発。昼間にバッテリーへ貯めた太陽光エネルギーを、夕方以降、家電で使用するサイクルを提案する。同社商品企画1部の村上幸輔氏は「これまでの家電開発で培った知見を生かし、バッテリーを使用したコードレス家電のラインアップ拡充を目指す」と話す。
ELEINの初年度売り上げは5億円を見込んでおり、3年後には20億円を目標にする。商品ラインアップの拡充とともに、将来的には100億円の売り上げ達成を目指すという。
同社はELEINについて、国内だけでなく海外での展開も視野に入れる。「通常の家電製品は、現地の電圧に対応する必要がある。しかし、バッテリーを使用する家電製品ならばそういった対応は不要だ。すでに販路や事業所を持つASEAN諸国のほか、電力インフラ不足が課題となっているアフリカ諸国での展開も目指したい」と意気込んだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
家電業界に“黒船”本格参入 コスパ重視「Comfee’」が日本を“狙い撃ち”した理由
日本において、Midea Groupが注力するComfee’の狙いは? 世界の市場シェアを獲得する要因はどこにあるのか。日本美的で取締役を務める斉心氏に聞いた。
8万円を超える「カセットコンロ」が完売 イワタニはなぜ“極”めたのか
岩谷産業が高級カセットコンロを発売した。商品名は「イワタニカセットフー “極”」で、価格は8万2500円。ちょっと信じられない価格だが、どのような特徴があるのかというと……。
山善、底面を斜めにしたフライヤーを発売 なぜ傾けたの?
山善は、油槽(ゆそう)の底面を斜めにすることで油の使用量を約40%削減した「電気フライヤー YAG-L100」を発売する
暖冬でも爆売れ、山善の「着る電気毛布」 数万件のレビューを分析して見えた改善点
電気代の高騰による節約意識の高まりから、節電タイプの暖房器具が注目を集めている。家電メーカーの山善が手掛ける暖房アイテム「くるみケット」もその1つだ。開発担当者の加美将希さん(同社家庭機器事業部)に話を聞いた。
“見せつける”ようなデザインが避けられてる? 家電やファッションで進む「ロゴなし化」 シャープ、アップル、ユニクロの特徴
家電やファッションで「ロゴなし」が進んでいる。背景には「クワイエット・ラグジュアリー=静かなぜいたく」と呼ばれるトレンドがあるという。


