「ソリューション営業」はもう古い! これからの時代に求められる「インサイト営業」の有効性:前編(4/4 ページ)
日本では長年、ソリューション営業が正義とされ、課題解決型の営業アプローチが求められてきました。一方昨今米国では、市場動向や顧客状況の力学に迅速に適応し、顧客が自覚をもしていない未知のニーズを解き明かす「インサイト営業(Insight Selling)」が新たな営業スタイルとして注目を集めています。日本で正攻法とされていたソリューション営業は限界を迎えているのです。
顧客をうんざりさせないために意識すべきこと
ここ数年は営業部門とマーケティング部門の責任者という立場上、セールステックツール、業務効率化、従業員エンゲージメントなどさまざまなSaaSを営業されることが多いのですが、ぐっとくるセールスパーソンに出会うことはなかなかありません。課題認識が浅く、すぐに製品やサービスの優位性をプレゼンされると、正直だんだんと気持ちがなえてきてしまうものです。
自身が既に認知している課題(お困りごとや悩み)を各ベンダーの営業に説明するのにうんざりしてしまいます。
顧客が望んでいるのは、会社紹介や組織図、製品・サービスの提供でもなく、独自の価値ある視点や、さまざまな選択肢から検討を手伝い継続してアドバイスを提供してくれるような営業体験、言い換えれば、素晴らしい購買体験です。“いかに納得して買えるか”が重要なのです。
従って、顧客の課題について質問するのではなく、自らの調査や経験をもとに顧客の課題に対して仮説を立てる姿勢が重要になります。顧客は、「それくらい分かってほしい」という情報を、わざわざ営業パーソンに教える時間が面倒だと思っています。むしろ、営業パーソンの持つ独自の情報や視点を得ることを望んでいるのです。
いかがでしたか? 今ソリューション営業を実行している方も、ぜひ一度顧客ニーズの本質を見極め、インサイト営業を実践してみてください。
後編では、インサイト営業を実践するための具体的な5ステップについて解説します。
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