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資生堂の美容部員がインフルエンサー化 華やかな投稿に隠れたSNS戦略とは(2/4 ページ)

美容部員と聞くと、百貨店やコスメショップの店頭に立ち、一対一で顧客の話を聞きながら接客するというイメージを持つ人も多いだろう。その一方で、資生堂インタラクティブビューティー(東京都中央区)には、デジタルでの活動に特化した美容部員が約40人在籍している。その背景について、同社に話を聞いた。

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デジタルに特化したPBP、効果は?

 同社では、デジタルでの活動をメインに行うPBPを「オムニPBP」と呼んでいる。オムニPBPはSNSへの投稿やライブコマースを通して、新商品の紹介やトレンドのメーク方法、季節や肌質に合わせたスキンケアの方法を紹介。店頭での接客は、PBPならではの知識と技術を目の前の顧客1人だけに伝えるものだったが、SNSへの投稿やライブコマースは、何千、何万というフォロワーや視聴者に届けられるのが強みだ。

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オムニPBP(プレスリリースより引用)

 オムニPBPの取り組み開始後、顧客からは「オムニPBPの投稿を見て購入しました」「オムニPBPの〇〇さんが紹介していたから買いました」という声が寄せられているとか。オムニPBPによる活動全ての売上貢献効果を測定できているわけではないが、測定できる範囲の売り上げは大きく向上していると河原氏は話す。

 現在、オムニPBPとして活動しているあーちゃん(SNS上の活動名)は、「店頭でもデジタルでもPBPの本質は変わらない」と感じているそうだ。「店頭でもデジタルでも『PBPを信用して買う』ことは同じです。資生堂の商品はどこにでも売っています。大事なのはどこで買うかではなく、『誰から』買うかということなのです」(あーちゃん)

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オムニPBP あーちゃん(編集部撮影)

資生堂・オムニPBP流 投稿の作り方

 オムニPBPの投稿は、どのように作られているのか。河原氏によると、投稿やライブコマースで取り上げる商品やテーマは、全てオムニPBPが決定しているのだという。オムニPBPごとにフォロワーの特色やニーズが異なるため、自身のフォロワーに合った商品やテーマを選ぶ必要があるからだ。あーちゃんによると、人気の投稿にはいくつかパターンがあるとか。「OKメーク、NGメーク」(TPOに合ったメーク方法を教えるもの)、「化粧直しの方法」「ポーチの中身紹介」「朝晩のスキンケアのルーティン紹介」は、比較的どのオムニPBPでも人気の鉄板コンテンツだという。

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化粧直しの方法を紹介する投稿(あーちゃんのInstagramより引用)
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スキンケアを紹介する投稿(あーちゃんのInstagramより引用)

 撮影はオフィスや自宅など思い思いの場所で行っており、編集方法もオムニPBPに一任。どの写真や動画を使うか、どんな投稿文にするかなどオムニPBPそれぞれの個性や感性を生かすため、あえてマニュアル化しない方針をとっている。

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