GMO「新卒年収710万円」1期生のAI研究者が語る未来 「技術の進歩は、予想を超える」:教えて!あの企業の20代エース社員(3/3 ページ)
将来有望な新入社員に、高額な初任給を――。人手不足が進む中、高額な初任給で優秀な人材を確保しようとする動きが波及している。「新卒年収710万プログラム」が話題となったGMOインターネットグループもそのうちの一社だ。このプログラムの1期生でAI研究者である杜博見さんは、なぜAIに惹かれ、どのような未来を描いているのか。話を聞いた。
「技術の進歩は、私の予想を超えてくる」
2023年4月に新卒入社して1年が経過した今、GMOインターネットグループでAIの研究をする魅力を、どう感じているのか聞いてみた。
「先ほどもお話したように、私は以前から『いろんな分野のAI研究に携わりたい』と思ってGMOに入社しました。1年経った今、その考えは間違っていなかったと自信を持って言えます。
私は現在フィンテックのAI研究を中心に行っていますが、フィンテックと言っても株、FX、仮想通貨などさまざまな分野があります。分野ごとに、必要な情報も分析する観点も異なってくる。それだけでも充分面白いのですが、先輩たちを見ていると、広告やメディア事業など、より幅広い分野でAIの研究をしています。この幅広さが、当社で働くことの魅力です」
最後に、今後さらにAI研究が進み、実社会にもどんどん取り入れた先に、杜さんはどんな未来を描いているのか伺ってみた。
「私にも、具体的なイメージはまだ見えていません。ただ『インターネットが出たときと似ているのでは』と感じます。インターネットが普及し始めた頃は、今後どう発展していくのか、それにより世界がどう変わっていくのかまでは、誰にも想像がつかなかったはずです。でも、インターネットの登場によって何かが大きく変わるという期待感は、確実にあった。そのときのインターネットの存在が、現在のAIだと思うんです」
AIによる社会変化の全てを今から見通すことはできない。しかし、確実にAIは社会を変えていく。その中で、AIの実用化に向けて励むことが杜さんの進む道だという。
「これからも技術を極めていきたいです。異なる分野や種類のデータを一緒に扱い分析するのは難しく、勉強が必要なことも多いです。マルチモーダルがまさにそうですが、一見全然関係のなさそうなデータを同じレイヤーで扱えるようになると、思いもよらない知見を得られると思います」
ただし、こうした考えはあくまで現在の見通しで、変わる可能性もあると杜さんは話す。
「こうした研究をしていく途中に、数年前には誰も想像しなかったような、すごく革新的で、私がやりたいこととも一致するような技術が登場するかもしれません。
おそらく技術の進歩は、私自身の予想を超えてくると思います。キャリアについては、それを見てから考えたいですね。」
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