2015年7月27日以前の記事
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ちぐはぐでも「目標はメンバーが立てる」 全国制覇多数、女子バスケ名門校を率いる敏腕コーチのマネジメント術異才を見いだす「育てるマネジメント」(3/3 ページ)

女子バスケットの名門・東京成徳中学校・高等学校で長年指導者を勤めてきた遠香(おか)周平氏。何度もチームを表彰台に送り出し、日本代表チームなどで活躍するプロ選手を育成してきた。メンタル面でもスキル面でも発展途中の選手たちを、どのようにチームとしてまとめ、鼓舞してきたのだろうか? そのマネジメントの極意に迫る。

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その目標を、1年後に達成できているイメージがわくか?

遠香氏: 目標を立てるときには、その目標を1年後に達成しているイメージがわくかどうかを大事にしています。

 先ほど例にあげた「全国制覇を狙えるのに、ベスト8入賞を目標に掲げてきた」場合なら、まずは「ベスト8を狙えるチームは、どんなチームか」をイメージしてもらいます。そのうえで、今の自分たちに足りないものを考えてもらう。もし、現時点で足りないものがほとんどないのなら、自分たちを過小評価していたことに気付けますよね。


遠香周平氏

佐藤氏: 目標を軌道修正するヒントを与えて、自分たちで考えるようサポートしているのですね。

遠香氏: 人が立てた目標と、自分たちが立てた目標だと、向き合うモチベーションが全く変わってきます。

 私は、目標と理念は「両輪」だと思っていて。理念は、コーチの私からはっきりと示す。その理念を理解したうえで、部員たちで目標を立てる。ただ、いくら理念や自分を理解して目標を立てても、そのために最大限努力しても、「全国制覇」などの相手ありきの目標は達成できないこともよくあります。でも、向き合えば向き合った分だけ、理念は自分の中にちゃんと残るんです。

 先ほどお話しした「魚の取り方」と同じで、自分で考えたら考えた分だけ、学校を卒業して私の手が離れた後にどんな環境に行っても、自律して生きていけるようになります。

(後編に続く)


 記事の後編「組織に必要な『キャプテン』『リーダー』『フォロワー』――バスケ強豪校を30年率いた名監督の『強いチームの作り方』」(6月10日公開予定)では、具体的にチームメンバーがどのような役割を担うことで、組織として強くなれるのか。チーム作りに欠かせない視点を明らかにする。

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