本田技研工業と三菱商事、新会社設立 EV普及に向けたサービス提供(1/2 ページ)
本田技研工業と三菱商事は6月13日、新会社「ALTNA(オルタナ)株式会社」を7月に設立すると発表した。EVユーザーのコストを低減する新しいモビリティサービスと、EVバッテリーを長期に活用する新たな電力事業を展開していく。
本田技研工業と三菱商事は6月13日、新会社「ALTNA(オルタナ)株式会社」(以下、ALTNA)を7月に設立すると発表した。ALTNAは、本田技研工業が持つEV、バッテリーの制御技術やコネクテッド技術と、三菱商事が持つ蓄電池運用やスマート充電などの電力ビジネスに関する知見を組み合わせたサービスを提供する。EVユーザーのコストを低減する新しいモビリティサービスと、EVバッテリーを長期に活用する新たな電力事業を展開していく。
ALTNAはEV利用コストの最適化や、希少資源を多く含むバッテリーの価値向上、国内での資源循環など、EVの社会実装と脱炭素社会の実現に向けた課題解決を目指し設立する。
3つの新事業を展開
同社では、主に「バッテリーリース事業」「リパーパス蓄電事業」「スマート充電事業」を展開する。バッテリーリース事業は、本田技研工業が10月10日に発売予定の新型軽商用EV「N-VAN e:(エヌバン イー)」に採用した大容量バッテリーをリースする事業だ。
車両のリースを行う際、バッテリーの所有権をALTNAが保有。リース期間中、バッテリー使用状況のモニタリングを行う。将来のバッテリー劣化予測を含め継続的にモニタリングすることで、バッテリーのSOH(電池の容量劣化状態を表す指標)などの信頼性を高め、長期にバッテリーを利活用するライフサイクル事業を展開する。
車載利用期間終了後はバッテリーを回収し、リパーパス蓄電事業へ転用する予定だ。バッテリーを長期で利活用することを前提にリース価格を設定することで、EVユーザーの経済的負担の軽減も図るという。
リパーパス蓄電事業は、車載利用を終了したバッテリーを系統用蓄電池に二次利用し運用することで、車載利用時からバッテリーの状態を継続的にモニタリングできるというサービスだ。得られたデータをもとに回収したバッテリーを最大限活用し、長期的で安定的な運用を目指す。
スマート充電事業は、電力の需給が高まる時間帯を避けてEVを充電することで、ユーザーの電力コストを最適化する充電プランを提供する。エネルギー制御システムと車両を連携し、クルマの利用スケジュールに合わせて最も電力の調達コストが安くなる時間帯に自動で充電。顧客が充電時間を考える手間も不要で、EV利用コストの低減を図る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
米政府が中国EVに100%課税する意味
米政府は中国製のEVにかけられていた25%の関税を、なんと100%に引き上げると発表した。米政府は世界の貿易から、ならず者でルールを守らない中国を除外し、中国なき世界貿易を目指そうとしている。
3つの理由でEV撤退したアップル “急ハンドル”で注力する「新たなビジネス」は何か
アップルが長らく水面下で続けていたEV開発から撤退したと報道があった。その背景には3つの理由があるという。加えて、新たに注力するビジネスも見えてきた。
EV減速の中でもっとも注意すべき政策
EVシフトの減速を示すニュースが次々に発表されている。こうなるのはずっと前から分かっていたことで、ようやく世間が悪夢から覚めたということになるだろう。筆者は国が一度方針を決めると、状況が変わろうが何だろうが、ひたすら決めた方針通りに進むという点を一番恐れている。
EVシフトで「トヨタは遅れている」は本当か
世界的なEVシフトの中、エンジン不正が騒がれているトヨタグループ。日本は本当に世界から遅れをとっているのだろうか、それとも……。




