リコー、フィルムカメラ新発売 ”あえて手間がかかる”体験で若い世代に訴求:プロダクトInsights
リコーイメージングは7月12日から、フィルムコンパクトカメラ「PENTAX 17」を発売する。旧来のカメラファンのほか、若い世代にもフィルムカメラの風合いが人気となっている状況を踏まえ、新たに始めてみたいという層にも訴求する狙いだ。
プロダクトInsights
日々リリースされる新しい商品やサービスたち。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
リコーイメージング(東京都大田区)は7月12日から、フィルムコンパクトカメラ「PENTAX 17」を発売する。旧来のカメラファンのほか、若い世代にもフィルムカメラの風合いが人気となっている状況を踏まえ、新たに始めてみたいという層にも訴求する狙いだ。
フィルムならではの操作感を重視
PENTAX 17の販売価格は8万8000円。「人が操作する余地を残すことで、撮影者の個性や創造性が発揮できるモデル」として開発した。
手動の巻き上げレバーを備え付けることで、フィルムを1コマずつ巻き上げてシャッターを切るという、フィルムカメラならではの操作感を体験できる仕様となっている。
フィルムカメラが持つ独特の風合いが、若年層を中心に人気を博している状況を受け、同社は2022年12月に「フィルムカメラプロジェクト」を開始。フィルムカメラの開発・検討を行っていた。
フィルムカメラへの関心が高まっている一方で、アフターサービスがない中古製品の使用については不安の声もあった。そこで同社は、製造・販売からアフターサービスまでを一貫して提供することで、新たな層に訴求したい考えだ。
過去にフィルムカメラの開発に携わってきたベテランの開発者が、若い世代に技術を継承しながら開発したという。
手軽さやスマホとの相性も重視
フィルムの装填方法については、操作が簡単な「イージーローディング方式」を採り入れた。また、1回の撮影ごとに通常のフィルム1コマの縦半分を使用する「ハーフサイズフォーマット」を採用。フィルムを横方向に送る仕組み上、そのまま横持ちで構えた際に縦型のスマートフォンと同じ感覚で撮影が可能となっている。
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