コラム
山手線にも「起点」と「終点」がある 正しい“環状線”はどこに?:意外なところに(5/5 ページ)
山手線は路線が輪の形になっている「環状線」だが、実は起点と終点がある。起点と終点が一緒で、ぐるぐると回る完璧な環状線はあるのだろうか。
完璧な環状線はあるのか
では、いわゆる“完璧”な環状線はあるのだろうか。起点と終点が一緒で、ぐるぐると回る路線はどこだろう。
山手線と大阪環状線は、実態として環状運転をしているものの、路線の起点と終点は別だ。都営大江戸線は全区間同じ路線だが、ぐるぐる回っていない。ではどこに環状線があるのか。
名古屋市営地下鉄の名城線は、起点が大曽根駅、終点も大曽根駅という路線である。1965年10月の部分開業以降、工事は進み、2004年に全線が開業。これで純粋な環状運転ができるようになった。ただし、金山駅で名港線と接続し、名城線と名港線が乗り入れている。
計画では大曽根駅から栄駅、金山駅を経て名古屋港に向かう2号線、大曽根駅から名古屋大学駅を経て金山を結ぶ4号線だったものが、環状区間と枝線で路線名を分け、環状区間を中心に運行するようになった。
この路線こそが、「ザ・環状線」という名にふさわしいのではないだろうか。
環状線といってもさまざま歴史があり、路線名と運行区間名が違ったり、ぐるぐる回っていなかったりする場合もある。さまざまな経緯によって環状線になったこれらの鉄道は、営業上の必然性があって環状線になったのである。特に、山手線や大阪環状線は求められるものに応じて姿を変えたといえるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
利用されない指定席券売機 やっぱり「駅の窓口廃止」は間違っている
インターネット予約のおかげで、新幹線の移動はとても便利になった。交通系ICカードと予約情報をひも付ければきっぷは不要。しかし便利なのは移動が新幹線で完結する場合だけで、在来線を乗り継いだり、一筆書き経路では窓口がないとお手上げだ。ところがその窓口が激減している。
JRの「EXサービス」と「えきねっと」 どこで“差”が付いたのか
同じJRグループのサービスでも、「使いやすい」といわれる「EXサービス」と、「使いにくい」と言われ続ける「えきねっと」。その差はどこにあるのか……。
東京で隣の駅が「近すぎる」路線が存在するワケ
東京駅と有楽町駅、日暮里と西日暮里駅のように、都会には、駅間距離が短い場所がある。なぜ、そのような駅の設置の仕方をしたのだろうか。その理由は……。

