連載
15年ぶり大規模出店の「吉野家」 2つの店舗スタイルで女性層を取り込めるか(1/4 ページ)
長らく店舗数が横ばいだった牛丼業界に動きが出そうだ。吉野家が、15年ぶりに100店舗規模の拡大を目指す。軸となるのは2つの業態だという。
吉野家は今期、国内で100店舗を増やす計画だ。約1200店舗で頭打ちとなり、10年以上にわたって横ばいに推移してきた吉野家があらためて攻勢をかける。100店規模の新規出店は実に15年ぶりのことだという。
2種類の新業態店で攻める方針だが、既に飽和状態にある牛丼業界において、どのような勝機があるのか。新業態店の特徴とその狙いを探る。
店舗数1位は最後発の「すき家」
吉野家は1899年に東京・日本橋で創業した。その後に築地へ移転し、戦災を乗り越えて営業を再開。多店舗展開を始めたのは1960年代以降である。その後は、「早い、うまい、安い」をキャッチフレーズとして店舗展開を加速させる。
競合の松屋は1968年に牛めし・焼肉定食店として1号店をオープン。吉野家と同じようにチェーン展開を進めた。ちなみに松屋の創業者は吉野家の味に感銘を受け、牛丼業態を始めたといわれている。
後発のすき家は、1982年に1号店をオープンした。都市部を抑えていた吉野家・松屋に対してすき家はロードサイドに出店し、地方および郊外で勢力を伸ばし、2008年に当時トップだった吉野家の店舗数を上回り業界1位となった。
業界全体では2014年以降、すき家・吉野家・松屋の3社はそれぞれ約2000店舗・約1200店・約1000店舗のまま横ばいに推移しており、飽和状態になっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
吉野家、次なる事業の柱は「ラーメン」 製麺・スープ製造の宝産業を子会社化
吉野家ホールディングスは4月26日、ラーメン商材に特化した宝産業の全株式を取得し、子会社化すると発表した。「グループの経営資源活用や共通購買による調達コストの最適化などのシナジー効果で、今後の一層の成長が期待できる」とコメントしている。
吉野家が「牛丼とから揚げの店」を目指してる!? 並々ならぬやる気を見せている理由
吉野家がから揚げを第2の看板商品にしようとしている。キャンペーンや販促などに積極的に取り組む理由は?
