カチンコチンの「天然水ゼリー」が好調 膨大な自販機データから分かってきたこと:週末に「へえ」な話(2/4 ページ)
JR東日本クロスステーションの「天然水ゼリー」が売れている。販売本数が右肩上がりで伸びている中で、昨年ちょっとユニークな取り組みをした。どんなことなのかというと……。
「天然水ゼリー」誕生の経緯
なぜJR東日本クロスステーションはこのような変わった商品を開発したのかというと、データをじっくり見た結果である。商品を電子マネーで購入すると、購入した場所・商品名・時間のデータが取れる。その情報を見ると、同社のミネラルウオーター「From AQUA(フロムアクア)」は朝に購入する人が多いことが分かってきた。
午前中はよく売れているけれど、夕方以降は苦戦するので、なんとかその“穴”を埋める商品をつくれないか。あと、From AQUAのブランドを広めたいので、From AQUAで使っているミネラルウオーターを利用できないか。この2点を満たすために、商品開発が進んだ。
いろいろと考えを巡らせる中で、担当者はここでもデータをじっくり見る。夕方にどんな商品が売れているのかを調べたところ、味のついたフレーバー飲料がよく売れている。1日の仕事で疲れたビジネスパーソンが「ちょっと甘いモノが飲みたいなあ」「小腹が空いたので、おやつ替わりになるモノを」といった理由で購入する人が多いようだ。
であれば、From AQUAを使ったゼリーがウケるのではないか。夕方から売れるかもしれない。このような仮説を立て「天然水ゼリー」が生まれたのである。
さて、冒頭のオノマトペに戻ろう。天然水ゼリーの食感は「プルプル」であるが、もうひとつの「シャリシャリ」はどういった意味か。実は、2023年8月にJRの品川駅と大宮駅に「冷凍From AQUA 天然水ゼリー自販機」を設置して、シャーベットタイプを販売したのだ(期間限定)。
「ははーん、だからプルプルではなくて、シャリシャリなのね。でも凍らせたら、すぐに飲めないのでは」と感じられたかもしれないが、その通りである。喉が渇いているからすぐに飲みたいといった人には向かないが、昨年の夏を思い出してほしい。とにかく暑かった。
駅の中はむしむしするので、きんきんに凍った天然水ゼリーを購入して、首回りにあてたり、額に押し付けたり、ほっぺにくっつけたり。しばらくすると溶けてくるので、キャップ開けて「シャリシャリ」感を楽しむ人が多かったようだ。
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