7000万台を売った中国の電動二輪車「ヤディア」 日本でどう戦うのか:2022年に本格参入(2/5 ページ)
2001年に中国で誕生し、2017年から2022年までの6年連続で電動二輪車の販売台数ランキングで世界トップになったモビリティブランド「YADEA(ヤディア)」。2022年に日本に本格参入し、大手競合とどう戦うのか。
電動二輪車の販売台数で世界一に
2001年に誕生し、世界トップクラスのブランドに成長したヤディア。燃料にガソリンを使うモビリティを扱わず、電動バイク、電動モペット(電動モーターのみで走行するペダル付きバイク)、電動自転車、電動キックスクーターと電動二輪車に限定したビジネス戦略で人気を博している。
これまでに7000万台以上の電動二輪車を販売しており、2017年から2022年まで6年連続で電動二輪車の販売台数で世界1位であると、マーケットリサーチなどを提供するフロスト&サリバン社(米国)が発表している。
なぜ、ヤディアが世界で支持を集めているのか。この問いに対して、亀田氏は「製品開発力の高さ」を挙げた。
「2001年の創業時、中国ではガソリンを使ったクルマやバイクしか販売されていなかったのですが、ヤディアは電動だけに焦点を絞り、一から自社で研究して多くの製品を作り上げてきました。特に注力しているのがオリジナルのバッテリーで、パワフルで充電効率がいいという特徴があります。約15分に1台を生産できるスピーディーな生産体制も持ち合わせています」(亀田氏)
現在、ヤディアには2つの研究所があり、1000人以上の研究開発スタッフが在籍している。また、中国国内で1900以上の特許を取得している。その結果、高い機能性を持つ製品の開発が可能になり、例えば、日本で2025年夏以降に発売予定の電動バイク「K2」は、一度の充電で100km以上の長距離走行が可能だ。
また、最新の電動バイク「K5」(日本では未発売)は、自動車用の超高速直流充電を活用すると、10分でバッテリー容量の80%を充電できる。つまり、ガソリンで動く従来のバイクに劣らない性能を持つ電動二輪車を多くラインアップしているのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜヘッドライトがまぶしく感じるクルマが増えているのか
夜間、クルマを走らせていて、対向車や後続車のヘッドライトがまぶしく感じることがある。その原因はどこにあるのか。大きくわけて3つあって……。
なぜ人は「激安タイヤ」を買うのか アジアンタイヤの存在感が高まるリスク
アジアンタイヤが日本で存在感を増している。大きな理由として「安い」ことが挙げられる。しかし、本当にそれでいいのかというと……。
なぜ「プリウス」が標的にされるのか 不名誉な呼び名が浸透している背景
トヨタのプリウスをネットで検索すると、批判的なコメントが多い。ドライブレコーダーの交通事故や暴走ドライバーの動画を目にすることが多いが、なぜプリウスは標的にされるのか。背景を探っていくと……。
中国製BEVは今後どうなるか 避けられない現実
深刻なバブル崩壊を迎えている中国では、2022年にBEVへの補助金が終了した。今後BEVを生産するメーカーの行方は。

