7000万台を売った中国の電動二輪車「ヤディア」 日本でどう戦うのか:2022年に本格参入(4/5 ページ)
2001年に中国で誕生し、2017年から2022年までの6年連続で電動二輪車の販売台数ランキングで世界トップになったモビリティブランド「YADEA(ヤディア)」。2022年に日本に本格参入し、大手競合とどう戦うのか。
表参道に日本初のフラッグシップストアを開店
日本への本格参入後は、全国の自転車店やホームセンターなどに販売先を広げているほか、オンラインやポップアップショップなどでも発売。じわじわと認知や販売台数を拡大していった。2024年5月には日本初のフラッグシップストアとなる「YADEA表参道」をオープンした。
「特に電動キックボードは初めて乗る方が多いので、試乗したいという要望が多いんです。東京だけでなく大阪でも物件を探していたんですが、まず表参道に良い物件が見つかり、情報発信拠点として適していると考えました」(住田氏)
同店には、発売前の電動バイク「K2」も含め、現状のラインアップがそろう。表参道という場所柄、若年層や外国人の来客が目立つが、40代以上の層も見られるそうだ。
「店舗は非常に反響が良く、特に晴れている日は多くの方でにぎわっています。ヤディア製品の特徴でもある“パワフルさ”を実際に体感され、購入にいたるケースが多いですね」(住田氏)
フラッグシップストアでは、2種類の電動アシスト自転車と特定小型原動機付自転車タイプの電動キックボード2種類がよく売れているという。特定小型原動機付自転車は、最高速度20km/h以下などの一定条件を満たす自転車で、16歳以上であれば免許がなくても乗車できる。
「電動キックボードについては、2023年7月1日の法改正後に急激に販売数が伸びています。免許が不要であり、ヘルメットの着用が努力義務になっているので、そうした点を魅力に感じる方が多いのかもしれません」(住田氏)
ヤディアの国内戦略として、日本では大手のバイクメーカーが存在するため、バイクよりも電動アシスト自転車と電動キックボードを先んじて発売している。そのうえで、電動アシスト自転車は日本市場に多く出回るシティタイプや子どもを乗せるタイプではなく、ファットバイク(タイヤ幅が10cm前後の自転車)を先行発売したという。
中国をはじめとした海外では、ヤディア製品において圧倒的に電動バイクが人気で、全製品の約5割の売り上げを電動バイクが占めているそうだ。
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