コラム
7000万台を売った中国の電動二輪車「ヤディア」 日本でどう戦うのか:2022年に本格参入(5/5 ページ)
2001年に中国で誕生し、2017年から2022年までの6年連続で電動二輪車の販売台数ランキングで世界トップになったモビリティブランド「YADEA(ヤディア)」。2022年に日本に本格参入し、大手競合とどう戦うのか。
販売数は伸びているが、課題は多い
長谷川工業では、本格的に電動二輪車事業を展開すべく、2024年1月に同事業を専門とするハセガワモビリティを設立した。2024年の販売目標として1万台を定めており、7月初旬現在5000台近くまで販売数が伸びているという。
「今年の下半期にも新製品を発売する予定がありますし、目標達成への手応えを感じています。より購入しやすいよう、地方でも商品を見て触れていただける環境を作っていきたいですね」(住田氏)
目標達成に向けて順調に進んでいる一方で、課題も少なくない。例えば、電動アシスト自転車は、街乗りで便利なシティサイクルタイプや子どもを前後に乗せられるタイプが一般的であるため、ファットバイク向けの駐輪場が不十分だという。駅や賃貸マンションにある一般的な駐輪場では停められないため、バイク用の駐輪場に停めなければならないのだ。
また、電動キックボードは法改正に伴いルールが複雑化しており、認知が進んでいないのが現状だ。利用者に正しくルールを把握して安全に乗車してもらう必要があり、これも課題だとヤディアでは考えている。
今後、ヤディアが目指すのは「電動二輪車のブランドといえばヤディア」という世界観を作っていくこと。日本には大手競合もおり容易ではないが、6年連続で販売台数世界一の実力の持ち主であり、さらに人気が拡大していく可能性はありそうだ。
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