インタビュー
「天橋立」もあるのに日帰り客だらけ どうする? 老舗のお酢メーカーが追いかける“2つの街”:「美食の町」へ(3/5 ページ)
京都府北部の丹後エリアで、ある地域創生プロジェクトが進行している。「丹後を日本のサン・セバスチャンに」という壮大なビジョンのもと、過疎化に悩む地域を「美食の町」へと変貌させようとしている。
飯尾醸造の具体的な取り組み
取り組みの中心となるのが、レストランの誘致と支援だ。まず、飯尾氏自らがイタリアンレストラン「アチェート」を開業した。営業は夜のみとし、あえてランチ営業は行っていない。その狙いは「宿泊客を増やすため」だ。
そして2022年には、アチェートと同じ敷地内に寿司割烹「西入る」の出店にこぎつけた。同店舗は、日本各地で修行を積んだポルトガル人の料理長と日本人の妻が、飯尾氏の働きかけにより宮津に移住し、店舗を開いた。飯尾氏が住居の紹介や経営のサポートなど、多岐にわたる支援を行うことで、新たな人材の誘致に成功した事例といえる。
また、アチェートの客単価は約1万2000円、西入るは約2万円と、あえて高めの価格帯に設定している。「地元の既存店舗との競合を避けつつ、新たな客層を呼び込むことを狙った」(飯尾氏)
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