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「天橋立」もあるのに日帰り客だらけ どうする? 老舗のお酢メーカーが追いかける“2つの街”「美食の町」へ(4/5 ページ)

京都府北部の丹後エリアで、ある地域創生プロジェクトが進行している。「丹後を日本のサン・セバスチャンに」という壮大なビジョンのもと、過疎化に悩む地域を「美食の町」へと変貌させようとしている。

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現状の課題と成果

 ディスティネーションレストランを増やし、宿泊客を増やそうとする本プロジェクトは、着実に成果を上げつつある。

 「プロジェクトの構想から約9年で、5軒の高品質なレストランがオープンしたほか、世界的に権威あるレストランガイド『ゴ・エ・ミヨ』に地元の2店舗(『西入る』『縄屋』)が掲載されるなど、対外的な評価も高まっている」(飯尾氏)

 宿泊施設の増加も顕著だ。2020年には宮津市にマリオットホテルが進出したほか、直営のアチェートから徒歩5分圏内にゲストハウスが新たに数軒開業した。これらの施設は、観光客の受け皿として機能している。

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アチェート店内風景

 一方で、課題も浮き彫りになっている。そのひとつが人材育成だ。「若手料理人の独立支援を目指しているが、まだ十分に成果が出ていない」(飯尾氏)という。地域に根付き、長期的に活躍する人材の育成が今後の鍵となりそうだ。

 また、行政との連携もまだまだ不十分だ。「ミシュランガイドで星を取る店を出す目標を掲げているが、そもそも丹後エリアが調査エリアに入っていない。行政の協力が不可欠だが、まだ十分な理解が得られていない」(飯尾氏)。官民連携の強化が今後の重要なポイントになるだろう。

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飯尾醸造が持つ田んぼの風景

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