生成AIに業務委託 必須になる「任せ上手」のスキルとは?:働き方の見取り図(3/3 ページ)
生産性向上が叫ばれる中、AIのように進化したツールは心強い存在だ。一方で、使い方を間違えると波紋を呼ぶ怖さと表裏一体でもある。進化が著しい技術にどう向き合えばよいのか。
押さえたい5つのチェックポイント
単なる結果にとどめず成果へと高めるには、少なくとも5つのチェックポイントをクリアする必要があります。
その商品やサービスを購入して「危険はないか」「不快になる人はいないか」「困る人はいないか」「違法性はないか」、差別など「社会通念上の問題はないか」――の5つです。売れるという結果を出せたとしても、これらのうち一つでも欠けていては成果が出せたとまでは言えません。
ツールの機能が上がれば上がるほど、利用する側はその使い方が問われます。中でもちょっとした指示でプロ顔負けのイラストが作成できる生成AIのような機能は、ツールに任せられる業務をより高度な段階へと引き上げました。
チラシの制作といった結果だけを求めるのであれば、指示出し以外の全ての業務をツールに任せられるようになったのです。
チラシ全体の構成を考える、人目を引くキャッチフレーズを考える、ロゴやイラストのデザインを考える、それらを踏まえて作成する、文字の大きさや色味を調整する――など、ずっと人が担ってきた工程を生成AIには丸ごと委託できます。そのため「AIは雇用を奪う」と懸念されてもいる一方で、余った時間を有効活用することで、人の生産性は驚くほど向上しそうです。
しかし、業務の任せ方を間違えると先出の5つのチェックポイントに引っかかる可能性があります。これまで、どの業務を誰にどう任せるかは組織をマネジメントする管理職だけが担う役割でした。しかし、これからの時代は管理職でなくとも、任せ上手であることが求められます。
テクノロジーの発展によって、生成AIのような高機能ツールは誰もが気軽に使えるくらい民主化されました。さらにロボットの性能がより高度化してAIと組み合わさるなどしていけば、個人が自らの担当業務をAIなどのツールに再委託できる範囲は劇的に広がっていくことになりそうです。
そんな進化の流れが加速していくにつれ、ビジネスパーソンには自らの技能を磨くだけでなく、担当業務をどのツールにどう任せるかを適切に行い、生産性高く成果を出す「業務マネジメント力」を備えることが必須の能力と見なされるようになっていくのではないでしょうか。
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