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たまにウソつく生成AIに「契約書管理」は無理? 「40年の歴史」持つ言語解析AIが再評価されるワケ万能ではないからこそ(4/5 ページ)

生成AIがビジネスの世界にもたらすインパクトは巨大であるものの、万能ではない。契約書関連の業務をデジタル化するリーガルテック市場では、旧来から磨き上げてきた技術が使われている。

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技術の良いとこどり

 Contract Oneは、ルールベースの技術を中核に据えつつも、生成AI技術の利点を最大限に生かすことで、ユーザー体験の向上にも注力している。

 「契約書の要約機能や質問応答システムには、最新の生成AI技術を採用した。これにより、ユーザーは自然言語で複雑な質問をしたり、長文の契約書の要点を瞬時に把握したりできる」と尾花氏は説明する。

もちろん全てをルールベースで行うのではない
もちろん全てをルールベースで行うのではなく、契約書の要約や内容の検索についてはGPTを活用。営業など現場の人間が容易に利用できるように工夫している

 例えば、Contract Oneの「AI要約機能」を使えば、数十ページに及ぶ契約書の主要なポイントを数行で要約できる。これにより、営業担当者や経営層など、法務の専門知識を持たない人々でも、契約書の内容を迅速に理解できるようになる。

複数の契約をひも付け
複数の契約をひも付けることで、実際の契約の全体像が把握できる。ここには膨大な単語データベースを持つ言語理解研究所の技術を使い、伝統的なAIによってひも付けを実現した

 また質問応答システムでは、「この契約の解約通知期限は?」「守秘義務条項の有効期間は?」といった具体的な質問に対して、関連する条項を即座に抽出し、分かりやすい言葉で回答を提示する。これにより、契約書の検索や確認にかかる時間を大幅に削減できるという。

 「生成AI技術の導入により、Contract Oneはより直感的で使いやすいツールになった」と尾花氏は強調する。「ルールベースの技術で高い精度を担保しつつ、生成AIで柔軟性と使いやすさを向上させる。このバランスこそが、われわれの目指す理想的な契約書管理の形だ」

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