「文具×コスメ」でどうなった? キングジムの“シール”が人気の理由:キラキラした「コフレ」(3/4 ページ)
キングジムが展開する文房具ブランド「COFFRET(コフレ)」が好調だ。コスメパレットを再現したデコレーションシールで、20〜50代の幅広い女性から人気を得ているという。どのように誕生し、なぜ人気を得ているのか。
手帳をデコってSNSに投稿
試行錯誤した結果、全20種類のラインアップを各594円で発売することが決定した。多種類の展開もまたコスメパレットを意識していると戸上氏。
「ヒトトキの文房具は組み合わせて使いやすいよう工夫しており、コフレに関しても異なる色や形状を組み合わせて使っていただきたいと考えました。また、コスメパレットは複数種類を一度に発売するのが通常ですので、本物のコスメ感を出すためにも多種類展開は欠かせませんでした」
2023年10月に発売すると、ヒトトキのユーザーをはじめ幅広い年代から反響を得た。どの種類も同じくらい売れているという。
「通常ヒトトキの製品では、人気のデザインとそうでないものの差があることが多いのですが、コフレは比較的均等に売れています。一番人気は丸い形状の『CIRCLE(サークル)』という商品ですが、僅差ですね」
複数種類をまとめ買いする人も少なくない。ヒトトキの公式オンラインストア限定で販売している5種類の形状をカラーごとにセットした「COFFRET SET(コフレセット)」(2970円)も好調だという。
コフレのPRでは主にInstagramを利用しており、ヒトトキの公式アカウントで商品紹介や利用シーンの提案を行っている。アカウントには現在14万6000人のフォロワーがおり、コフレを使った手帳のデコレーションを紹介した投稿は、特に反応が良かったという。
コフレの利用者自身も、デコレーションした手帳のページなどをSNSに投稿する人が多く、そうした投稿が認知度や売り上げの向上につながっている。2024年2月には文房具屋さん大賞2024のシール賞を受賞し、これも売り上げ増につながった。
「細部まで考え抜かれたトータルデザインの完成度の高さやデコレーションの満足度が受賞につながったようです。『文房具屋さん大賞』は文房具の小売店も注目されていて、受賞すると『什器ごと置きたい』と要望されることがよくあります」
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