休日の業務連絡、6割超の企業が制限なし 「つながらない権利」の実態は?
働く人々が業務時間外の連絡を拒む「つながらない権利」に注目が集まっている中、企業の6割以上が「休日の連絡について制限なし」としていることが、Onebox(東京都港区)による調査で明らかとなった。休みの日の連絡について、企業の実態はどうなっているのか。
企業の6割以上が「休日の連絡について制限はしていない」ことが、メール共有・問い合わせ管理システムを提供するOnebox(東京都港区)による調査で明らかとなった。働く人々が業務時間外の連絡を拒む「つながらない権利」に注目が集まる中、休みの日の連絡について企業はどれだけ対応できているのか。
なぜ休日に仕事の連絡を確認? 従業員の声
勤務先の休みの日の連絡対応について、63%が「特に制限がない」と回答した。同社は「明確な社内ルールがないがゆえに、休みの日に仕事の連絡を確認してしまう人が多いのでは」と推察している。
休みの日の連絡対応を減らすために有効な対策については、「休日は連絡を見なくていいなどの社内ルールの導入」が最も多い回答となり、51.0%と半数に上った。
「休暇中の対応を前提としない文化の醸成」(42.0%)、「代理対応(ツール・人)の仕組みの強化」(28.0%)と続いた。ルールだけでなく、それを根付かせるための組織・仕組み作りも重要であると考えられる。また、17.6%と少数ではあるものの「生成AIなど新しい技術の活用」を期待する声も見られた。
休みの日にメール・チャットなど仕事の連絡を確認したことが「ある」とした人は過半数を占めた。また、仕事の連絡を確認したことがある人のうち、返信までしたことが「ある」とした人は85.3%に上った。
休みの日に仕事の連絡を確認・返信してしまう理由は「緊急の対応が必要な場合があるから」が最多となり、67.7%に上った。続いて「自分にしか対応できない仕事があるから」(50.6%)となり、職場が「特定の個人へ依存」している、または「個人がそのように感じてしまう環境」であると推察される。
以降は「休み明けに仕事が溜まるのを防ぎたいから」(28.2%)、「上司や同僚からの指示があるから」(23.0%)と続いた。
「会社のメールシステム・チャットが休暇中でも通知を送るから」については12.5%と全体を通して多くはないものの、休み中にデジタルデバイスを携帯していると「つい見てしまう」という行動様式が見受けられた。
調査は6月18日にインターネットで実施。20〜59歳の会社員、合計300人(20代・63人、30代・66人、40代・83人、50代・88人)から回答を得た。
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