うほっ、健康家電「ゴリラのひとつかみ」が人気 おもしろネーミングは「失敗のサンプル」から生まれた:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
ドウシシャの健康家電「ゴリラのひとつかみ」が売れている。強いチカラでふくらはぎをケアする商品だが、なぜ商品名は「ゴリラ」なのか。取材をしたところ、この商品は失敗から生まれていて……。
商品企画を担当している人にとって、避けては通れない「道」がある。これから世に出そうとしている商品の「ネーミング」だ。
過去を振り返ると、「このネーミングはおもしろいなあ」「考えた人は天才」と感じられる商品がたくさんある。例えば、1982年に登場した洗濯機「からまん棒」(日立製作所)、甘栗を手軽に食べられる「甘栗むいちゃいました」(クラシエフーズ)、カニ風味かまぼこの「ほぼカニ」(カネテツデリカフーズ)など。
このほかにもたくさんあるわけだが、個人的に気になっている商品名がある。家電や雑貨などを手掛けているドウシシャの「ゴリラのひとつかみ」(希望小売価格5500円)だ。
見たことも聞いたこともない人からすれば「なんだそれ?」と思われるかもしれないが、ゴリラのようなチカラでふくらはぎをケアする健康家電のことである。ネーミングはパンチがあるものの、商品の仕組みはシンプルだ。まず、ふくらはぎに巻いて装着する。電源プラグをコンセントに差し込んで、電源ボタンを押せば動き出す。強さは弱、中、強から選べて、10分後には機械が止まるという流れだ。
「家電量販店に行けば、売ってそうだよね。とがった商品名でウケを狙っているのかしら。で、売れたの?」などと感じられたかもしれないが、2024年2月に発売したところ、すぐにSNSで話題になり、棚からどんどん商品が消えていった。「1年で1万5000台ほど出荷できたらいいよねえ」とソロバンをはじいていたわけだが、発売から1カ月ほどで10万台を超えたのだ。
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