うほっ、健康家電「ゴリラのひとつかみ」が人気 おもしろネーミングは「失敗のサンプル」から生まれた:週末に「へえ」な話(2/4 ページ)
ドウシシャの健康家電「ゴリラのひとつかみ」が売れている。強いチカラでふくらはぎをケアする商品だが、なぜ商品名は「ゴリラ」なのか。取材をしたところ、この商品は失敗から生まれていて……。
なぜ「ゴリラ」なのか
それにしても、ふくらはぎをケアする健康家電に、なぜ「ゴリラ」というネーミングをつけたのか。結論から先に言うと、この商品は「サンプルの失敗」から生まれたのだ。
どういうことかというと、商品の生みの親は社会人2年目の水島英恵さんである。1年目に営業を担当して、2年目に商品を開発することに。というわけで、ほぼカニ……ではなく、ほぼ新入社員が右も左も分からないような状況の中で、商品企画が始まったのである。
家電量販店に足を運ぶと、足をケアする商品は2万〜3万円のモノが多い。しかし、「自分は健康家電を欲しいと思ったことがないんですよね。自分のような人に興味をもってもらうためには、どうすればいいのか。着圧ソックスは2000〜3000円ほどなので、5000円台であれば手に取ってもらえるのではないかと考え、まずは価格を決めました」(水島さん)という。
価格を抑えるためには、いろいろなところを“削って”いかなければいけない。電池は高いのでコードレスにしなかったり、両足ではなく片足のみとしたり、サイズを短くしたり。このほかにも削れるところは削っていったわけだが、サイズを短くしたことで計算に狂いが生じてしまったのだ。
商品の構造は、内側にエアバッグを仕込んで、それを膨らませることで圧力を加えるわけだが、エアバッグが短いのですぐに空気がいっぱいになる。結果、どういった状況が生まれたのか。圧力がどんどんかかってしまうので「痛い」のだ。
単純な計算ミスによる失敗だったので、サイズを調整して、もう一度サンプルをつくればいいわけだが、水島さんは同僚のこの言葉に注目した。「痛気持ちいい」である。
競合の商品と勝負するにあたって、がっぷり四つの戦い方もあるが、ドウシシャはこの分野での知名度は低い。であれば同じ土俵に乗るのではなく、ちょっと違う角度で攻めるほうが効果的ではないかと考え、「痛気持ちいい」をウリにしていくことに決めた。
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