やっぱりUFOっているの? 月刊『ムー』が“ムー民”の好奇心をつかんでいるワケ:創刊45周年(2/5 ページ)
1979年創刊のオカルト専門誌『ムー』。旅行ガイドブック『地球の歩き方』とコラボした「異世界の歩き方」は14万部の大ヒットに。創刊45周年を迎え、広い世代に愛される理由を聞いた。
「マニア向け」の路線変更で人気雑誌に
雑誌の創刊ラッシュだった1970年代。ムーもそんな流れに乗って創刊した雑誌の一つだった。当時は、「怪談」や「宇宙人」といった怪しいネタをまとめた中高生向けの雑誌として学習研究社(現:学研ホールディングス)から創刊された。雑誌名の由来は、太平洋上に存在したといわれる幻の大陸「ムー大陸」だ。
現在は、2020年7月に設立されたワン・パブリッシング(元Gakkenのメディアビジネス部門)がムーを発行している。
「創刊当時のムーは今よりも一回り大きいA4判で、イラストや漫画を多用したフィクション的な要素が中心でした。隔月発売で1年間続けたのですが、部数が伸びずにリニューアルすることになったんです」(三上氏)
そうしてできあがったのが、現在のようなマニア向けの専門誌だ。「マニアならば小学生であっても十分な知識があり専門書も読みこなせる」という嗜好(しこう)性を踏まえ、専門用語をふんだんに盛り込み、小説や漫画をなくしてノンフィクションの方向性に路線変更。サイズもB5判とした。
すると、中高生以外の人も購入するようになりグッと数字が伸びた。その後も右肩上がりに部数が伸びていき、隔月の販売から月刊誌に変わったという。
これまでで最も部数が伸びたテーマは、1980年代に発売した「ノストラダムス特集」で30万部近くを売り上げたという。「毎回ネタ探しに苦労している」と三上氏は明かしていたが、関連するテーマの研究家とネットワークを築くなどして国内外の情報を仕入れているそうだ。
紙からWebへという時代の流れを受けて発行部数は縮小しているが、「ムー民」と称される固定ファンを持ち、オカルト専門誌としての確固たる地位を築いている。40〜50代の男性が主な読者層だが、女性や若年層などにも支持されているという。
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