テレビCMを打ちまくる「Temu」は危険なのか 激安を実現するビジネスモデルとは:世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)
中国の激安通販サイト「Temu」が、テレビCMなどに多額の広告費を投入していることで注目されている。独自のサプライチェーンによって低価格を実現しているが、商品のクオリティーの低さが問題視される。個人データが中国に渡る可能性もあり、懸念は大きい。
7月20日にフジテレビで放送された「FNS27時間テレビ」で、中国の激安通販サイト「Temu」のインフォマーシャル(通販CM)が流れたことが、X(旧Twitter)でトレンドになるほどSNSをざわつかせた。
例えば、「フジテレビの27時間テレビで TemuのCMを流してる 中国製のアプリを宣伝してるとかやばいな」「最近のTemuのゴリ押しはひどいですね」などのコメントが見られる。
フジテレビについては、5月18日に放送された漫才賞レース「THE SECOND」でもTemuのコラボCMが放送されている。ただ、Temuのインフォマーシャルを流しているのはフジテレビだけではない。
TBSで4月6日に放送された「オールスター感謝祭」でもインフォマーシャルが話題になっている。さらに他のテレビ局でもTemuのCMをよく見るために、なんとなく気になっている視聴者もいるようだ。
そもそも、Temuは危険なのか――。Temuのビジネスモデルや危険度など、よく分からないという人も多く、筆者も質問を受けることが多い。そこで今回はTemuについて深掘りしてみたい。
筆者がまず感心しているのは、激安で知られるTemuが決して安くないテレビCMなどを打ちまくっている事実だ。知名度を上げてとにかく1人でも多くアプリをダウンロードさせようという戦略なのは明らかだが、ネットなどでは「怪しい」という評判が出回っている。それでもCMを見かけるのは、TemuがCMを断れないテレビ側の懐事情を理解しているからだろう。
ある在京の民放テレビ局員は言う。「広告収入が減っているのは周知の事実で、もはや広告を出してくれる企業を選べなくなっている。多額を積んでCMを出してくれるなら中華系でもウェルカム。あるキー局でも今、番組スポンサーにTemuを使うことを本格的に検討していると耳にしたばかりだ」
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