「死んでくださーい」 フワちゃん的パワハラ上司を“制御”する、効果的な方法:スピン経済の歩き方(4/7 ページ)
暴言がきっかけで活動休止となったフワちゃんだが、同じような暴言を吐いている人は日本企業にも多く存在する。「暴言を吐いてしまう人」に企業はどう対処すれば良いのか。
暴走行為を減少させたモデルケース
「珍走団」である。
ご存じの方も多いだろうが、珍走団とは暴走族を茶化したネットスラングだ。これを受けて、一部の暴走行為を嫌がる人々が、暴走族の名前をこのように変えれば「カッコ悪い」「ダサい」というイメージが広がって「憧れ」で参入してくる青少年が減って消滅するのではないのかと考えたのだ。
当たり前だが、暴走族の若者たちはあれが格好いいことだと思ってやっている。あまりジロジロ見たら絡まれてしまうが、騒音をまきちらして道路をクネクネ走って、信号無視をするバイクにまたがっている若者たちの顔を見るといい。「オレってカッケー」というドヤ顔をしているはずだ。
そんな美学で生きている若者たちが「珍走団」などと不名誉な呼ばれ方をされることは、とても我慢できないだろう。実際、「珍走団」という言葉が定着するにつれて、暴走族は減少の一途をたどっていた。もちろん、時代の流れや、不良のカルチャーが変化したなどいろいろ要因はあるのだろうが、「暴走族ってなんかカッコ悪いよね」というムードに「珍走団」が少なからず影響を与えた面もあるはずだ。
実際、暴走族の少年たちの友情や熾烈(しれつ)な争いを描いている人気漫画『東京卍リベンジャーズ』(著・和久井健/講談社)が発行部数7000万部の歴史的ヒットとなり、イケメン俳優たちによる実写映画が公開された2021年、暴走族は増えた。
「警察庁がまとめた2021年中の『少年の補導及び保護の概況』によると、暴走族人員は5838人で、前年から124人増えた(9月16日発表)。暴走族の人員は減少傾向が続いていたがここにきて増加した(中略)グループで組織化するのではなく、SNSなどを活用して緩やかにつながるケースが増えていると見られる」(レスポンス 2022年9月21日)
昔、任侠映画が人気だったとき、街にはヤクザを気取って肩をいからせて歩く人があふれたという逸話があるが、『東京卍リベンジャーズ』を見て「暴走族ってカッケー」と影響を受けた子どもが、暴走行為に流れた可能性もあるのだ。
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