「死んでくださーい」 フワちゃん的パワハラ上司を“制御”する、効果的な方法:スピン経済の歩き方(5/7 ページ)
暴言がきっかけで活動休止となったフワちゃんだが、同じような暴言を吐いている人は日本企業にも多く存在する。「暴言を吐いてしまう人」に企業はどう対処すれば良いのか。
「暴言」にも同じスキームが応用できる
話が脇にそれたが、「珍走団」のような「イメージを貶(おとし)めて抑止力にする」というスキームは「暴言」にも応用できるのではないか、と個人的には思っている。
なぜなら、周囲に「死ね」「殺すぞ」などの暴言を吐く人というのは、暴走族の若者と同様に「オレってカッケー」と自分に酔っている部分が多々あるからだ
筆者はこれまで複数の企業の不祥事対応をする一環で、「死ね」「殺すぞ」など暴言パワハラをした人々に実際にお会いして、なんでこんなことを言うのか話を聞かせてもらったことがある。
言い訳はそれぞれなのだが、共通しているのはそこまで自分のやったことを「悪い」と反省していない点だ。
誰も厳しく叱ってくれる人がいないので、自分が汚れ役を買って出た。自分が若いときはこれくらい厳しい指導は当たり前であって、そのおかげで今の自分がある。優しい言葉をかけるなど、叱らないことはいくらでもできるが、そうやって甘やかしたら本当に仕事のできない人間になってしまう。
……などなど、こんな感じで、自分の暴言やパワハラというのは、「人を教え導く際の必要悪」だと考えている人が圧倒的に多いのだ。ちなみに、これは個々の信念や哲学というよりも、日本の伝統的な教育観である。
近代史を振り返れば、日本人にとって「死ね」というのは教育現場で当たり前のように使われていた、パワーがみなぎる魔法の言葉だったのである。何かを教えてもらう、何かの技術を身に付けるには、甘っちょろい考えは捨てて、死ぬ気で取り組まなくてはいけない。
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