2015年7月27日以前の記事
検索
連載

「死んでくださーい」 フワちゃん的パワハラ上司を“制御”する、効果的な方法スピン経済の歩き方(6/7 ページ)

暴言がきっかけで活動休止となったフワちゃんだが、同じような暴言を吐いている人は日本企業にも多く存在する。「暴言を吐いてしまう人」に企業はどう対処すれば良いのか。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

現代にも続く日本式教育

 そういう日本式教育の伝統的な考えがいまだに脈々と続いているのが、学校の部活動だ。

 2023年1月には、神奈川県立市ケ尾高校のハンドボール部顧問を務めていた男性教諭が複数の部員に対して暴力に加え「死ね」「消えろ」と暴言を吐いたとして、停職6カ月の懲戒処分を受けた。『読売新聞』の報道によると、男性教諭は「試合に勝てば生徒も全て報われるという考えが根本的に間違っていた。大変申し訳ない」と話していたという。

 こうした不祥事がいつまでもなくならないのは、死ぬ気で物事と向き合った者だけがたどり着ける境地があり、それが勝利につながる、というのがいわゆる日本特有の「体育会系ノリ」だ。

 もちろん、こういうノリは学校教育の先にある「職場」でも脈々と引き継がれている。

 キャリア・転職サイト『ミチサガシ』を運営するミチサガシ(福岡市)が2023年1月、パワハラを実際に受けて乗り越えた男女100人に「パワハラをする人の特徴」を質問したところ、最も多いのは「短気な性格」(29.3%)。次に「完璧主義者」(22.2%)、「体育会系」(20.4%)と続いた。


 皆さんも中学や高校のとき、学校に1人はいたであろう「気が短くて規則に異常にこだわる体育会系ノリの顧問」みたいなタイプが、職場でパワハラ上司になっているのだ。

 こういうノリのパワハラ上司は自分の非を認めない。部下を怒鳴り「使えねえな」「生きている価値がない」などと追い込んでも「チームのため」「勝利のため」と言い張って反省しない。そして、最後は決まって「時代」のせいにしがちだ。

 「今はなんでもコンプラ、コンプラで息苦しい。昔はもっと自由で『死ね』とか『殺すぞ』なんて当たり前に使っていたから、みんなたくましく育った。今の若者はそういう厳しさを知らずに育っているので弱々しく、逆にかわいそうだ」とかなんとか言って、「言いたいことも言えないこんな世の中」へのポイズンをぶちまけて、組織人としての哀愁をのぞかせる。

 つまり、自分は間違っていないけれど、理不尽な社会につぶされたという感じで「カッコつける」のだ。


パワハラを自虐ネタにする人も(画像はイメージ、出典:ゲッティイメージズ)

 なので、こういう人は会社から「処分」を受けても比較的ケロッとしている。パワハラをした部下がそのまま会社を辞めて自殺をしてしまったという人はさすがに塞ぎ込んでいたが、それ以外の人はわりとリカバリーは早く、「今はもう何を言ってもパワハラだから気を付けたほうがいい、オレが一番よく知っている」なんて自虐ネタにしたりするのだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る