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2028年、街から書店が消える? “救世主”になるかもしれない「2つ」のビジネスモデル(4/6 ページ)

書店業界が深刻な危機に直面している。全国の自治体の4分の1以上で書店がゼロとなり、2028年には街から書店が消えるという予測さえある。そんな中、新たな書店モデルが登場した。

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直木賞作家の今村翔吾氏が仕掛ける「ほんまる」

 書店業界の危機に対し、新たな動きが始まっている。そのひとつが、直木賞作家・今村翔吾氏が2024年4月27日に東京・神保町にオープンしたシェア型書店「ほんまる」だ。クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がデザイン面を担当し、ブランディング向上に寄与している点でも注目を集めている。

 今村氏は「書店はイニシャルコストがかかるだけでなく、粗利率も低い。人件費や地代を考えると従来型の経営では立ち行かない」と指摘する。この認識が「ほんまる」誕生の背景にある。

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シェア型書店の「ほんまる」(画像は、ほんまる提供。以下同)

 同書店は、16坪(地上1階、地下1階)の空間に364の棚を設置し、個人や法人に月額4850円から貸し出しを行う。新刊書と古書の両方を扱い、本との多様な出会いを創出する。棚を貸し出すことで経営リスクを分散し、開店から3カ月で棚の利用率は85%に達するなど、黒字経営を維持している。

 全棚の30%を法人契約が占めており、それが経営の安定性を高めている点が特徴だ。ちなみに、起業のきっかけになった本やオススメの本などが並んでいる。

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棚を個人・法人に月額で貸し出し、収益の安定化を図る

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