IT業界で「多重下請け」が進行 経営者の7割「短納期や低予算の下請け案件が多い」:キッカケクリエイション調べ(1/2 ページ)
IT企業経営層224人に「システム開発において短納期や低予算の下請け案件が多いと感じるか」を尋ると、「そう思う」「ややそう思う」合わせて約7割だった。
ITキャリア支援事業を手掛けるキッカケクリエイション(東京都渋谷区)は、「ITエンジニア業界の現状」に関する調査を実施した。システム開発において「短納期や低予算の下請け案件が多い」と答えたIT企業経営層は、約7割だった。
IT企業経営層224人に「システム開発において短納期や低予算の下請け案件が多いと感じるか」を尋ねた。29.0%が「そう思う」、36.6%「ややそう思う」と回答。DXの加速により案件数が増加する一方で、4次受けや5次受けなどの多重下請け構造が進行している。その結果、労働に見合わない条件で働かざるを得ない企業が増えていることが分かった。
「多重下請け」脱却のために必要なものは?
次に「多重下請け構造脱却に何が必要だと思うか」を尋ねた。1位は「スキルの高い人材の確保」(59.8%)、2位は 「営業力の強化」(47.3%) 、3位は「社内のITエンジニアへの教育」(39.7%)だった。
「多重下請け構造脱却のために行っていること」についても、1位は「スキルの高い人材の確保」(36.1%)で、2位が「ITエンジニアへの教育」(34.8%)、3位が「営業力の強化」(29.9%)となっている。いずれの取り組みも3割〜4割弱程度にとどまり、必要とされる施策に手を付けられない現状が浮き彫りとなった。
「スキルの高い人材の確保」をしているとした回答者に「スキルの高い人材の確保を行う上での課題」を尋ねた。最も多かったのは「スキルの高い人材が少ない」(49.3%)で、「転職サービス活用における人材・時間的リソースがない」(33.3%)、「企業のダイレクト採用における人材・金銭的投資」(24.6%)と続いている。
「どのようなスキルを求めているか」については、1位が「基本設計力」(62.9%)、2位が「要件定義力」(58.0%)、3位が「実装力」(41.9%)となった。これらのスキルに加え、現場での経験や自主的に学習をする人材を求めている。
社内のITエンジニアへの教育をできていない経営層に「教育を行っていない理由」を尋ねた。最多は「教育で賄いきれないと感じている」(34.2%)となり、スキルの高い人材を確保する必要性が、より一層高まっている結果となっている。
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