連載
人間の「真の相棒」となる日も間近? Apple、Googleも発表「マルチモーダルAIエージェント」の今:AI×社会の交差点(1/4 ページ)
AppleやGoogleをはじめ、世界のメーカーが開発に力を入れる次世代AIエージェント。今後の可能性を考察する。
AI×社会の交差点
AIの発達が急速に進むなか、今後社会にどのような変化が起きるのか。野村総合研究所でITのリサーチを行うチームが萌芽事例やニュースなどを取り上げ、新たな課題と可能性について多角的に解説する。
創作の世界で、AIは長らく人間のパートナーとして描かれてきた。例えば、映画『2001年宇宙の旅』のHAL 9000や、映画『アイアンマン』のジャーヴィス、『新世紀エヴァンゲリオン』のMAGIシステムといったように。『ドラえもん』もそうだろう。
では現実世界ではどうか。2011年にiPhone4Sとともに登場したSiriは、スマートフォンに搭載されたAIアシスタントとして大きな注目を集めた。その後、Googleアシスタント、Amazon Alexa、Samsung Bixbyなどが登場し、AIアシスタントは私たちの生活に身近な存在となった。
しかし、創作で描かれるような人間のパートナーにはなっていない。実際には音楽再生や天気予報の確認、タイマー設定、スマート家電の操作など、シンプルな音声認識タスクが主だ。これは、AIがユーザーの意図を正確に理解し、複雑なコンテキストを処理するのが難しいという技術的な制約が背景にあるためだ。
だが近年の生成AI技術の進化がこの状況を変えつつある。本稿では、人間にとってAIが“真の相棒”となるかもしれない「AIエージェント」と「マルチモーダルAI」の最新動向について触れ、今後の展望を考察したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜ、キットカットは日本だけ「40種類」もあるのか? 爆買いされるのに「外国人ウケ」は決して狙わないワケ
インバウンドに大人気なあのお菓子。商品開発の裏側は。
インバウンド殺到の渋谷ドンキ 「月に1億円」売れるお菓子とは?
東京都で最も訪日客が訪れる街、渋谷のドン・キホーテでは何が一番人気なのか? インバウンド需要の最前線を取材した。
「オーバーツーリズムは“悪化”している」 星野リゾート社長が感じた危機感
“インバウン丼”と呼ばないで――1杯1万円超の海鮮丼が話題の豊洲「千客万来」、運営企業が漏らした本音
メディアによる切り取った報道に、現地は困惑しているようだ。
セルフレジで客が減る? 欧米で「セルフレジ撤去」の動き、日本はどう捉えるべきか
店舗におけるオペレーションDXは必要不可欠だ。しかし欧米では、セルフレジを撤廃する事例が現れ始めている。その理由を探ると、DXの本質が見えてくる。

