Snow Man目黒蓮の起用で“テレビ離れ世代”に訴求 業界の覇者「レグザ」が自信のワケ(2/2 ページ)
Snow Man目黒蓮をグローバルブランドアンバサダーに起用し、“テレビ離れ世代“にも訴求する構えのTVS REGZA。今回の製品開発はどのようになされたのか。取締役副社長の石橋泰博氏に狙いを聞いた。
「日本のブランド力はまだ生きている」
――今後の展望として国内だけでなく、グローバル展開も視野に入っていますか?
実は東芝時代に海外のビジネス展開は縮小していて、テレビ事業も撤退しているんですよね。しかし今回、海外市場への再参入を一生懸命やろうとマーケティングを含めて動き出しています。まだ始めて間もないのですが、伸び始めています。特にアジアの若者の間で目黒蓮さんの知名度は非常に高いのです。
――日本のものづくり神話が崩壊し、グローバルではだいぶ遅れている印象があります。
いえ、そうでもありません。むしろ海外に行くと、日本のブランド力がまだ生きていることを実感します。私も何回か海外で新商品発表会のスピーチをしていて「日本人が来た」ということに対して、彼らがとても喜んでくれるのを見ています。
私は英語を話せるのに、(あえて)「日本語でやってください」と言われるぐらいなのです。そういうところで日本ブランドが生きていることを感じます。だったら、そのブランドを使わない手はないですよね? 海外展開では製品に「Designed in JAPAN」といったようなバッジやキャッチをつけて、日本で開発した製品だと分かるように、うまく訴求をしています。
UIが変わるだけで劇的に売り上げが変わる可能性
以上がインタビュー内容だ。
日本の技術力に裏打ちされたテレビの新しい使い方を提案することで、顧客数も一気に増える可能性がある。テレビに限らず、インターネット上のショッピングやフリーマーケットなどを見ても、従来と比べてUIが分かりやすく、便利になったことによって成功した後発が多くあるからだ。
かつて日本の家電は、不要な高機能を付けた高価格帯であったため、現地のニーズに応えたリーズナブルな簡素化モデルを展開した海外メーカーに遅れた。しかし、レグザのようにユーザーの利便性を考えた機能を備えた商品で勝負すれば、海外市場での日本ブランドは復興する可能性がある。
過去から現在まで家電に共通して求められるのは、生活を便利にすることではないだろうか。技術の進化に伴い、ユーザーの要求はどんどん上がっている。テレビ離れをしている消費者の背景にあるのは多忙さだろう。観たいコンテンツが高画質・大画面で観られる満足度だけでは足りない。いかに見たいときに「時短」で見られるかのバリューが大きいのだ。製品開発がゴールではなく、優れたユーザー体験を提供することが全ての企業に求められる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
井上尚弥対フルトン戦も独占 NTTドコモ「Lemino」が放映権を次々と獲得できたワケ
「dTV」に代わるNTTドコモの新しい映像配信サービス「Lemino」。動画配信が群雄割拠の時代を迎える中で、NTTドコモはどんな戦略を描いているのか。責任者に聞いた。
井上尚弥vsタパレス戦を独占無料生配信 ドコモ副社長に聞く「配信事業に挑むワケ」
NTTドコモは「NTTドコモ Presents WBA・WBC・IBF・WBO 世界スーパー・バンタム級王座統一戦 井上尚弥vsマーロン・タパレス -streaming on Lemino-」を、映像配信サービス「Lemino」で独占無料生配信する。
井上尚弥VS.タパレス戦に期待 米トップランク社ボブ・アラムCEO「日本市場は素晴らしい」
「NTTドコモ Presents WBA・WBC・IBF・WBO 世界スーパー・バンタム級王座統一戦 井上尚弥vsマーロン・タパレス -streaming on Lemino-」を前にした12月24日、記者会見が実施された。会見には井上選手が契約している米興行大手Top Rank(トップランク)社のボブ・アラムCEOも共同プロモーターとして出席。囲み取材では何を話した?
チケット最高額は1200万円 ドコモが「バイエルン対マンC」でスポーツ興行に参入した狙い
ドコモはJリーグと共に主催者となり、世界最高峰のクラブチームであるマンチェスター・シティFCとFCバイエルン・ミュンヘンという「奇跡の一戦」を開催した。なぜ通信会社ドコモが、スポーツ興行に参入したのか。キーマンに聞いた。
dTV、「井上尚弥 世界統一戦」を本日、独占配信 ドキュメンタリー番組は1位をキープ
「dTV」は、12月13日に有明アリーナで開催される「NTTドコモ Presents PXB WORLD SPIRITS WBA・WBC・IBF・WBO 世界バンタム級王座統一戦 井上尚弥 vs ポール・バトラー」を独占生配信する。
井上尚弥の強さに迫った書籍『怪物に出会った日』 異例の“発売前重版”の舞台裏
「怪物」の異名を持つ井上尚弥選手と闘い、敗れたボクサーから話を聞くことで、井上選手の強さに迫ったスポーツノンフィクション『怪物に出会った日〜井上尚弥と闘うということ』。発売前に異例の重版が決まり、発売1カ月で4刷3万3000部とヒットを飛ばしている。その背景には、約1年かけて取り組んだSNS戦略があった。
