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チョコザップのステマ問題、消費者庁が措置命令――「広告」と明示してもファンに愛されるには(2/3 ページ)
この事件は、企業と消費者の間における信頼関係の在り方を問い直すものである。
消費者の信頼を得るための4つのアプローチ
では、どうすれば消費者の信頼を得つつ、効果的なマーケティングを展開できるのだろうか。重要なのは、消費者が求める「信頼性」と「共感」を提供することだ。具体的には、次のようなアプローチが考えられる。
1. インフルエンサー選びの再考
信頼できるインフルエンサーと長期的なパートナーシップを構築し、彼ら/彼女らが本当に心から推薦できる製品やサービスのみをプロモーションに使用する。消費者は「本物の感情」を感じ取り、それが広告であることを理解しても、その推薦を信頼する可能性が高い。
2. 透明なコミュニケーション
「これは広告です」ということを正直に伝えつつ、その投稿が単なる宣伝ではなく、製品やサービスの実際の価値を伝えるものであることを強調する。ポイントは、広告であることを隠すのではなく、その内容が消費者にとって有益であることを訴える。
3. ユーザー生成コンテンツ(UGC)の活用
企業主導の広告ではなく、実際に製品を使用した消費者によるリアルな体験談やレビューを活用する。これにより、消費者は企業からの一方的な情報提供ではなく、同じ立場にある他の消費者からのフィードバックを信頼できる。これは、口コミ効果を最大限に活用する方法である。
4. インセンティブの透明化
消費者に対して、なぜインフルエンサーがその製品を推薦しているのか、どのようなインセンティブがあるのかを明示する。消費者に透明性を提供することで、信頼を築ける。
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